48.ひかげとひなたの使い方

南に建っている家のせいで、 敷地の半分近くが日陰になってしまう 約55坪の土地に建つ家の多くが、 総2階建ての家です。
その理由は、日陰を避けて 家を建てようとするからなのですが、 この結果、前回お伝えしたような 使いにくい家になってしまいます。

また、薄暗く開放感もない家になってしまいます。
それゆえ、使いやすい家にするためには、 また明るく開放的な家にするためには、 そもそも根本から改善する必要があります。
根本とは、日陰を避けて 家を建てようとすることですね。

おはようございます。
SIMPL NOTE半田スタジオサイトウです。

では、この土地で家を建てる場合、 どのような間取りにすべきなのでしょうか?

✔︎平屋という選択肢

土地の広さが55坪あれば、 平屋を建てることが出来るので、 この土地では、まずは 平屋に出来ないかを考えるべきです。
しかし、平屋にすれば、 確実に日陰となる部分にまたがって 家を建てることになるため、 光の採り込み方を工夫しなければいけません。

では、家全体を満遍なく明るくするためには、 どのように採光を考えるべきなのでしょうか?

✔︎光の種類を知る

これを考えるにあたり、 知っておくべきというか、 棲み分けしておくべきことが、 光にも種類が2つあるということです。
「直射光」と「天空光」の2つですね。 分かりやすく言うと、 天空光とは北の窓から入ってくる光ですね。
つまり直射光が入ってこないはずの北の窓が、 1日中安定して明るいのは、 この天空光が入ってきているから だということです。

そして、部屋の配置は、 この2つのどちらの光を入れたいかによって 変わってくるんですよね。
例えば、リビングダイニングは 直射光をたっぷりと採り込みたい場所ですよね?
それゆえ、南からの光がたっぷりと入る位置に レイアウトしたいですよね。

また、洗濯物を干すところにも、 日光がたっぷり当たるようにしたいので、 南からの光が入る位置に レイアウトしたいですよね。
では、この2つの場所以外に関しては どうでしょうか?
明るくあるべきではあるものの、 かといって絶対に南からの光が必要 というわけではありませんよね? 玄関。お風呂。トイレ。収納。 これらはもちろんのこと、 寝室だって、南からの光に こだわる必要はありませんよね?

そんなこんなで、 これらを踏まえて、 2つの光をうまく使い分けながら 部屋を配置していくと、 全ての部屋を満遍なく 明るくつくりやすくなるというわけですね。
もちろん、せっかくの南からの光を 殺してしまわないためには、 間取りのつくり方に工夫が必要ですけどね。

✔︎平屋が無理な場合

そして、土地や要望の都合上、 その土地に平屋がおさまらない場合は、 2階部分をつくらざるを得ないのですが、 この場合も、出来るだけ2階部分を 小さくすべきです。
2階を広くつくっても 無駄にコストが上がるだけで、 使いやすさが上がるわけじゃないからです。
なので、この土地で、 どうしても2階をつくらないといけないとしたら、 出来るだけ2階は小さくしてもらえたらと思います。

要するに、あくまでベースは平屋で考えるべきだ ということですね。
いかがでしたか?
もちろん、このような家の建て方をすれば、 居住性は格段に上がるものの、 確実にコストは割高になるので、 同時に、コストを抑えるためのアイデアや工夫も 必要にはなるのですが、それさえ出来れば ありきたりの総2階建ての住まいに比べて、 遥かに使いやすく、遥かに住みやすく、 また、遥かに明るくて開放的な住まいが出来上がります。

ですから、明るくて居住性が高い家が 手に入れられるように 今回の記事を頭の片隅に置きながら、 家づくりをしてもらえたらと思います。

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47.間取りは土地で決まるもの

例えば、あなたが家を建てる土地が、 東が道路に接している 間口11m×奥行き16.5mの55坪の土地で、 その南に2階建の家が建っており、 そのせいで、敷地の半分ぐらいまで 日陰になっているとしたら、 どのようなお家を建てるべきでしょうか?
さらに、南だけじゃなく 西と北にも家が建っており 周囲を家に囲まれているとしたら、 そこにどのようなお家を建てるのが 最も理想的なのでしょうか?

おはようございます。
SIMPL NOTE半田スタジオサイトウです。

この場合、一般的には、 日陰になっている所を避けて 家を建てようとします。
つまり、陰になっていない部分にだけ 家を建てようとするため、 必然的に2階建ての家になるというわけですね。

そして、1階の日光が入ってくる場所には、 リビングや和室をつくり、 日が当たらなくていい場所には、 お風呂や洗面やトイレといった 水回りを配置すると思います。
2階には、寝室や子供部屋といった プライベートルームを配置し、 出来るだけ、全ての部屋を 日当たりがいい南に配置し、かつ、 その南にはベランダをつくるのではないでしょうか。

さらに、道路面である東からも 朝の光がたくさん採り込めることから、 東にも大きな窓をつくり、 東と南からたくさんの光が 採り込めるようにすると思います。
これが、この土地に建つ、 最もポピュラーな間取りですね。

ですが、残念ながらこのポピュラーなお家は、 実際住んでみると、 様々なデメリットを痛感することになります。
例えば、1階のリビングにつくった 大きな窓から見える景色は、 「すぐ南に立ったお家の裏側」です。 つまり、エアコンの室外機や給湯器、 換気扇によって汚れた外壁や ゴミが並べられた勝手口などを 眺めながら暮らすことになります。
それゆえ、そうならないように、 隣との境界に目隠しを設置することになります。
そうしないとカーテンも開けられないので、 家の中が薄暗くなってしまうし、 せっかくつくったウッドデッキも、 使いにくくなりますしね。

では、道路面につくった大きな窓はどうでしょうか?
これらの窓からは、光もたくさん入ってきますが、 同時に視線もたくさん入ってくるため、 カーテンを開けることが出来ません。
そして、光が遮られ家の中が薄暗くなってしまいます。

また、2階につくった子供部屋は、 小さな子供たちにとって、 使いやすいのでしょうか?
もちろん、そんなはずはありませんよね?
子供たちはお母さんの近くで居たいものだし、 散らかしたおもちゃを 片付けることもままならない子供たちが、 さらにそれを自分の部屋に 持って行くとは考えにくいですもんね。
つまり、リビングやダイニングに 荷物の全てが集中してしまうというわけですね。

結果、片付けしにくい家となり、 同時に、掃除もしにくい家になってしまう、 というわけですね。

この他、避けた日陰に出来た余白にも、 外構工事が必要となるため、 外構費用が余分にかかることになります。
ざっと、挙げると、 こういったことがこのお家を建てた場合、 考えられるって感じでしょうか。
では、次回は、 この土地にはどのような家を建てるべきなのか? 全く違う視点でお伝えしていきたいと思います。
この土地の可能性をより引き出す家づくりの考え方です!


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46.2200万以下で平屋は建てられないのか?

例えば、土地の広さが100坪あれば、 問答無用で平屋を建てるべきなのですが、 多くの方が、そんな広大な敷地に ポツンと2階建の家を建てています。
その理由は「平屋は高い」と 思い込んでしまっているからだと思いますが、 平屋は、本当に前評判通り 高くなってしまうのでしょうか?

おはようございます。
SIMPLE NOTE半田スタジオのサイトウです。

その答えは、 「イエス」でもあり「ノー」でもあります。 つまり、家をどう考えるかによって、 どちらにもなりうるということですね。
では、高くなってしまう方は、 どのように家を考えてしまう方なのでしょうか?

✔︎坪数にこだわる人

平屋が高くなってしまう方は、 坪数にこだわってしまう人です。 「家はこれくらいなければいけない」とか、 「部屋はこれだけなければいけない」とか、 「部屋の広さもこれくらいないといけない」とか、 なんせやたらとデカさにこだわる人です。

これは平屋に限ったことではなく、 2階建てでも同じですが、 家は大きくなればなるほど、 それに連動して家の価格も高くなります。
そして、あれもこれもと どんどん付け加えていった結果、 坪単価は安くなっていくものの、 それに逆行して家の価格は高くなっていってしまいます。

✔︎家が高くなれば、色々と高くなる

そして、家の坪数にこだわれば、 建築費が高くなるだけにとどまらず、 そのほかの様々な費用も高くなってしまいます。
ランニングコストとなる光熱費や固定資産税、 そして、塗り替えなどのメンテコスト、 さらには、将来リフォームする時のコストなどです。

それゆえ、コストを抑えながら平屋を建てるためには、 坪数や大きさにこだわらないようにすべきである、 そして、それが結果的にランニングコストも 抑えられるようになるというわけですね。

✔︎無駄を省きながら平屋を建てる!

では、前回お伝えさせていただいたこちらの土地では、 2200万円という予算の中で、 一体どのような家を提案したのでしょうか?
もちろん、これだけの広さがなので、 当たり前のように平屋を提案させていただいたのですが、 まず道路面である西面に玄関と収納をまとめました。 玄関は明るい方がいいものの、 かといって厳しい西日を入れる必要はないし、 収納にいたっては、 そもそも日光を入れる必要なんてありませんからね。

結果、正面となる西面から窓をなくすことが出来、 スッキリした美しい外観になると同時に、 汚れの原因となる窓がなくなれば、 家の汚れも目立ちにくくなります。
また、間取りが分からない 防犯に優れた住まいにもなります。

そして、たっぷりと直射日光が入り、 明るく開放的なスペースにしたいリビングは、 視線が気にならない場所に配置しつつ、 視線が気にならない窓をつくりました。

結果、たとえ曇りの日でも 自然光だけで日中過ごすことが出来る 明るいリビングが出来上がりました。 もちろん、光を拡散させる工夫も織り交ぜることで 明るさを際立たせていますがね。
コスト面はどうでしょうか?
コストを抑えるためには、 広さにこだわらないことが大切であると申し上げましたが、 では、そうするためには一体どうすればいいのでしょうか?

まずは、廊下をなくすことです。 廊下がなければ家の中の温度差が生まれにくくなり、 快適な環境も維持しやすいですしね。
また、部屋の数や広さについても、 必要・不必要をよく考えるべきです。


子供部屋の数や広さ、寝室の広さ、ですね。 収納に関しても、 ただ闇雲にたくさんつくればいいわけじゃありません。
床面積が増えれば、 それに比例してコストが高くなってしまうからです。
それゆえ、床面積を増やさずに収納を増やす工夫を 家の至るところに織り交ぜました。

そして、こういった工夫をした結果、 2200万円でゆとりを持って暮らすことが出来る 平屋の住まいをつくることが出来たというわけです。

ということで、家づくりをする時は、 なにげなく受け入れてしまっている 思い込みを一旦捨てていただくと同時に、 本当に自分たちに必要なものが何かをよく考えながら 土地を選び、間取りをつくっていただければと思います。

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45. 100坪もあるのになぜ2階建??

下の図のように家を建てようと思っている土地の南に3階建ての家が建っていて、敷地の一番北まで日陰になってしまうとしたら、どのような家にすればいいのでしょうか?

もちろん、この答えは、 建築地の広さによって異なるのですが、 仮にこの建築地が100坪だとしたら あなたなら一体どのような 家が建つと想像されるでしょうか?

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

この土地は、幸いなことに、 3階建の影響を受ける部分のほとんどが、 駐車場として使う部分であり、 家を建てる部分の南に建っているお家は平屋であるため、 そもそもそれほど日照を心配する必要がありません。
それゆえ、平屋のお家を建てるのが 最も妥当な選択となります。
もちろん、平屋を建てるとなると 3階建ての陰になる場所も出来るし、 3階部分から見下ろされることも想定した上で 間取りを考えなければいけないし、 西日を遮断しながら採光を確保する必要があるので、 これらを織り込みつつ、 間取りを考えていかなくてはいけませんけどね。

また、その土地でどんな家を 建てるべきなのかを考える際、 土地の形状や環境と共に 考えなければいけないことが 「予算」です。
では、あなたが家に使える予算が、 税込2500万円だとしたら、 あなたはどのような選択をされるでしょうか?

✔︎2階建はコスパがいい!?

多くの住宅会社が、 土地の広さや土地の環境に関係なく、 当たり前のように2階建てを提案します。 2階建ての方が、コスパがいいからです。
つまり、あなたが望む広さの家を 予算内で最も叶えやすいのが 寝室や子供部屋などを全て2階につくる いわゆる総2階建ての家であるため、 その提案が基本となるわけですね。

では、2500万円という予算では、 具体的にどのような2階建の家になるのでしょうか?
おそらく、その家は1階にリビングダイニングキッチンと 小さなタタミコーナーがある家になるでしょう。
そして、2階には人数分の子供部屋と無駄に広い寝室をつくり、 かつ、本来1階につくるべき納戸をつくることでしょう。 また、ベランダも広くつくってくれることでしょう。
しかし、この家は使いやすいお家となるのでしょうか?

明らかに、暮らしの中心となる1階に、 部屋も収納も足りないお家になるのではないでしょうか?
また、わざわざ2階に上がるのが面倒くさい子供たちが 自分たちの荷物をリビングに置いていくため、 よりいっそう1階が散らかる生活感満載の 雑然とした家になりやすいのではないでしょうか?
敷地も余白が多くなり、 外構工事にも余分なコストが掛かってしまいますしね。
 
いかがでしょうか? 多くの住宅会社が、 平屋は高いという理由から きっと2階建ての家を提案することでしょう。 平屋が建つ土地であるにもかかわらず。
しかし、建て方によっては 平屋は高くなるどころか、 むしろコストを抑えることが出来ます。

もちろん、そのためには、 あなたの頭の中にこびりついている いろいろな家づくりの既成概念を 一旦捨てていただかないといけませんけどね。
ということで次回は、 弊社なら、この土地にどんな家を提案するのか? についてお伝えしていきたいと思います。

それでは、、、

44.日当たりが悪い土地ほど居心地がいい!?

北側接道で奥行きが浅く、 かつ南に隣接して家が建っている 日当たりが悪い土地で家を建てる場合、 光の採り込み方に工夫が必要です。
南にリビングを配置し大きな窓をつくっても、 そこからは全く光が入ってこないでしょうし、 光を補うために東や西に大きな窓をつくっても、 それらも全てカーテンで防いでしまうとなると、 そこからも光が入ってこなくなるからです。

おはようございます。
SIMPLE NOTE半田スタジオ サイトウです。

ではこの場合、どのようにして 室内に光を採り込めばいいのでしょうか?

✔︎リビングの位置を南にこだわらない

日当たりが悪い土地に共通して言えることは、 「リビングの位置を南にこだわらないこと」です。
そこにこだわればこだわるほど、 室内に光が入ってこなくなるからです。
南からの光を採り込むためには、 南の建物から充分な距離が必要です。
それゆえ、南に建つ建物から 充分な距離が取れる位置に リビングを配置するという選択肢も 視野に入れておく必要があるというわけですね。

✔︎吹抜けをつくる

リビングの位置をずらしただけでは、 まだ充分な光が採り込めないとしたら、 吹抜けをつくることも視野に入れるべきです。
高い位置から光を採り込むことが出来れば、 安定した明るさを維持しやすくなると同時に、 吹き抜けの窓から空が見えるため 開放感がグンとアップしますしね。
ただ、吹抜けにはメリットもあれば デメリットもあるため、 そのデメリットを打ち消す工夫も 同時にする必要があります。

例えば、吹抜けをつくれば、 少なからず耐震性は悪くなってしまいます。
それゆえ、バランスを考えた 間取りづくりや窓のつくり方が非常に大切です。
また、吹抜けがあれば、 そこに熱が逃げていくことになるため、 断熱や暖房のことも考慮しておく必要があります。

もちろん、断熱性能が高いことは、 現在の家では標準的なことなので、 それは当たり前だとして、まず考えるべきは、 無駄に窓を多くつくらないということです。
いくら窓の性能が以前より高くなったとはいえ、 壁よりも圧倒的に断熱性能は劣るからです。

また、家の面積を無駄に大きくしない ということも大事なことです。
廊下を無駄に多くつくらない、 部屋数を無駄に多くつくらない、 部屋も無駄に広くつくらない、 といった工夫をすることによって、です。 そして、暖房にも工夫することもオススメします。

例えば、吹抜けがある場所には、 床暖房を設置するという選択肢があります。 体感温度は足元の温度に左右されるし、 暖かい空気は冷たい空気より軽いため、 下から上に上がっていくという特徴があるからです。
また、エアコンを使用する場合も、 つけたり消したりするのではなく、 1日中つけっぱなしにしておくことをオススメしています。

つけっぱなしの方が 逆に電気代が安いとも言われているし、 その上、ずっと温度が一定に保てるし、 家全体の温度差も生まれにくくなるからです。

いかがでしたか?
こういったことを同時に考えながら、 家づくりをすることが出来れば、 どんな土地でも例外なく 住みやすい家をつくることが出来ます。
なにより、日当たりが悪い土地は、 1階に大きな窓をつくっても意味がないため、 プライバシーが担保された とっても居心地がいい家がつくりやすい という大きなメリットもあるわけですしね。

ということで、あなたが 家を建てようと思っている土地が 日当たりが悪かったとしても、 そう悲観的にならないように していただければと思います。

設計の工夫次第でなんとかなりますから!

それでは、、、

43.どんな土地でもいい家は建つ!?

例えば、以下の2つの選択肢があった場合、あなたはどちらを選ばれますか?
1つは、親が所有している土地があり、そこに家を建てれば土地代は必要なくなるが、土地が狭く、かつ南に隣接して家が建っており、どう考えても日当たりが悪い。

そして、もう1つは、住みたいと思っている地域で土地を買うという選択肢。
しかし、少なくとも1000万円予算が上がってしまい、毎月の返済が3万円以上違ってくる。
さて、あなたなら、どちらを選ばれるのでしょうか?

おはようございます。
SIMPLE NOTE半田スタジオ サイトウです。

もちろん、この選択は、あなたの年齢や収入、自己資金の加減によって違ってくるものなので、正解があるものではないのですが、「わざわざ新たに土地を買う必要はない」と個人的には考えています。
たとえ、その土地が日当たりが悪かったとしても、です。

例えば、間口は広いものの奥行きが浅い約35坪の北向きの土地があり、かつ、すぐ南に隣接して2階建ての家が建っているとしましょう。
冬の午後にこの土地を見ると、この土地は南の建物によって、敷地の多くが日陰となっています。
それゆえ、パッと見た瞬間、全く日が当たらない最悪の土地であると感じ、検討の土台にすら乗らないかもしれません。

✔︎家の一番南にリビングを配置しても意味がないという現実

この土地の場合、リビングを家の一番南に配置しても、全く意味がないことはお分かりいただけると思います。
であれば、そういう配置をしなければいいだけなのですが、なぜか、多くの方がその選択だけは絶対にしません。
そして、日当たりが悪い土地を避け、日当たりが良い土地を買おうとするのですが、日当たりが良い土地で、家の南にリビングを配置したら一体どうなるか想像してみたことはあるでしょうか?

家の中が丸見えになりますよね?となると、設置したカーテンが閉まったままの家になり、家の中が薄暗く、照明なしでは暮らせなくなります。
また、台風や防犯に備えてシャッターも必要になるし、プライバシーと防犯を担保するために、塀や目隠しや植栽などにも多額の費用が必要になります。

つまり、土地代が余分にかかるだけじゃなく、家や外構にかかるコストも割高になってしまうため、3万円どころか下手したら4〜5万円も毎月の負担が上がってしまうかもしれません。
それゆえ、別で土地を買っても、そもそもの設計の考え方を変えない限りは、ほぼ意味がないというわけです。

✔︎考えるべきは、この土地をどう活かすか?

わずか35坪で車を2台停められるように家を建てようとすればそこに建つ家は必然的に2階建てとなるのですが、となると、明るさ、開放感、プライバシー、防犯はもちろん、洗濯、片付け、掃除などの家事のしやすさにも、十分に配慮しなければいけません。
リビングが散らかりにくくなるにはどうすればいいのか?洗濯物を干しに行く動線と取り込む動線、そして、洗濯物をたたむスペースと、それらを片付ける動線をいかに効率的に出来るか?といったことですね。

また、家づくりはイニシャルコストだけじゃなく、ランングコストも同時に考えなければなりません。
生涯払い続けることになる電気代や定期的な壁の塗りかえ費用、部屋不足を補うための無駄な増築などです。
これらのコストが高くなれば、必然的に負担が上がってしまいますからね。
次回は、このような狭小地で、かつ日当たりが悪い土地では、どのように間取りを考えるべきかについて、お伝えさせていただきたいと思います。

それでは、、、

42.変動型も選べる人

変動型の住宅ローンのメリットは、 固定型に比べて金利が安いことです。
また、借入時にかかる経費が、 固定型よりも少ないのも変動型の大きな魅力です。
この他、固定金利に比べて、 貸し出し条件に融通がききやすいのも この変動型住宅ローンの 隠れメリットなのですが、 とはいえ、誰もが変動金利を 選んでいいわけではありません。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

その理由は、返済が終わるまでずっと 返済金額が固定されないからです。
つまり、3年後や5年後、10年後に 返済金額が変わってしまうかもしれない ということですね。 それゆえ、変動型の住宅ローンは、 選んでもいい方と選ぶべきじゃない方に分かれます。
では、選んでもいい方は一体どういう方なのでしょうか?

✔︎借入金額が少ない方

若干、抽象的な表現になってしまいましたが、 一体どれくらいが少ないのか?というと、 個人的には1500万円以下だと思っています。
となると、土地を持っていることは最低条件で、 かつ、自己資金をそれなりに入れられる人 ということになります。
あるいは、親からの援助がかなり期待出来る方ですね。

この理由は、借入金額が少なくて済むのと、 返済期間を短く設定することが出来るからです。
例えば、返済期間を20年で設定出来れば、 10年後に金利が変わる 変動型の住宅ローンを選んだとしても、 大してリスクがありません。 ほぼ半分返済が終わっているため、 多少金利が上がっても、 返済金額にそう大きな影響がないからです。
また、この場合、 金利見直し時に他の銀行で借り換えすれば、 再び最安のキャンペーン金利で 返済していくことが出来るし、 あるいは、それを阻止したい銀行が、 いい条件を提示してくれるかもしれないので、 結局、返済金額も上がりにくいという メリットも享受出来たりします。

✔︎貯蓄が出来る方

変動金利のリスクは返済金額が 最後まで一定じゃないというところです。

それゆえ、もし金利が上がった時には、 返済額が上がってしまわないように、 リスクヘッジが出来ないといけません。 そして、そのリスクヘッジが繰上げ返済です。
仮に、返済金額が一気に2万円も上がってしまったら、 とっても困りますよね。 でも、この時に繰上げ返済をすることで、 返済金額を今までと同じように保てれば、 別段困ることもないですよね。

そんなこんなで、 あなたがどのような状況であったとしても、 怠ることなくコツコツと貯蓄していくことが出来るのなら、 変動型を選ぶリスクはほとんどない と言っても過言ではないと思っています。 むしろ金利が安い分、 最後まで大して金利が上がらなかったとしたら、 終わってみたら最も金利の支払いが少ないかもしれませんしね。

いかがでしたか?
この2つのいずれかに当てはまるなら、 個人的には変動金利をオススメさせていただきます。

間違えても、冒頭でお伝えした メリットばかりに焦点を当てた状態で、 つまり目先の利益だけに囚われた状態で、 住宅ローン選びをしないように 気をつけていただければと思います。
ぜひ参考にしてください。

それでは、、、

41. 固定型を選ぶべき人

住宅ローンには、 変動金利固定金利の2つの種類がありますが、 どっちが良いかは一概には言えません。
しかし、それぞれに、 メリットとデメリットの両方が存在し、 それらは、あなた自身の状況によって 良い方向にも働けば、 逆に悪い方向にも働くものなので、 まずは、あなた自身の状況に どちらが適しているのかを知ることが大切です。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

では、今回は住宅ローンについて お伝えしていきますが、 そんなに難しい話じゃないので、 ぜひ最後までお付き合いください。
まずは固定金利を選んだ方が良い方からいきますね。

✔︎土地を買わないといけない人で、 かつ、土地を現金で買わない人

土地から買うとなると、 土地を持っている人に比べて、 土地の取得費用が丸々余分にかかります。
となると、当然のごとく 借入金額も大きくなり、 毎月の返済額とのバランスを考えると、 どうしても返済年数を長くせざるを得ないのですが、 そうなれば、途中で金利が上がってしまった時、 返済額がグンと上がってしまうかもしれないからです。

住宅ローンは商品の性質上、 はじめのうちは元本よりも利息の比率が高いため、 なかなか元本が減っていかないですしね。
そんなこんなで、 土地から買って家づくりをする人は、 少々金利は高いかもしれませんが、 景気の動向に関係なく、 返済額がずっと変わらない固定の方を 選ぶべきだということですね。

✔︎貯蓄が苦手な方

また、貯蓄が苦手な方(出来ない方)も、 固定金利を選んでおいた方が賢明です。
家づくりをする時に、 自己資金を全く入れられなかったり それほどいれられなかった方、ですね。

理由は、変動金利を選ぶ場合、 金利上昇リスクに備えて コツコツと貯蓄していけないといけないのですが、 これまで貯蓄出来てなかった人が、 家を建てたからと言って、 急に貯蓄出来るようになるとは思えないからです。
それゆえ、少々金利が高く 変動よりも返済額が増えてしまうものの、 家を失ってしまうという 最悪のリスクから身を守るためにも、 このタイプの人にも固定金利をオススメしている次第です。

✔︎最低限のことを勉強して知ることが大事

そして、僕が家を建てるみんなにお伝えしたいことが、 不動産屋や住宅会社に言われるがままの 住宅ローンを選ばない、ということです。
彼らの言いなりになってしまうと、 取引している銀行の住宅ローンをすすめられ、 良いか悪いかも分からないまま、 少ない選択肢の中で選ばされることになるからです。

結果、自分が選んでいる住宅ローンが、 どんな商品なのかもよく理解していないまま、 ローンを払っているという 最悪の状況になってしまいます。
また、固定金利を選べば、 どれを選んでも良いというわけでもありません。
銀行によって金利や手数料といった 条件が全く違うからです。

それゆえ、大切なお金のことは、 全て人任せにするのではなく、 自分自身も勉強して、 最低限の知識をつけるように していただければと思います。

では次回は、変動金利を選んでも良い方 についてお伝えしていきたいと思います。
まっ、簡単に言うと今日と反対の方ですかね。

それでは、、、

40.家の基本的な考え方

もちろん、土地の広さや形、環境などによって、 たとえ平屋が建てられる土地でも、 2階建てにせざるを得ない場合もありますが、 それらの条件をかんがみて 問題なく平屋が建てられるとしたら、 そうすべきだと個人的には思っています。
耐震性、耐久性、将来性、住みやすさ、コスト、 これら全てが2階建てよりも優れているからです。
それゆえ、前回ご紹介させていただいた 間口9m×奥行き18mの50坪の南向きの土地でも、 まずは平屋が建てられないかを考えるべきです。

おはようございます。SIMPLE NOTEサイトウです。

この土地の一番の特徴は、 南向きであるがゆえに、 光を阻害されるものがないということです。
しかし、だからと言って南にリビングを配置し、 そこに大きな窓をつくったとしても、 そこは外から丸見えになってしまうため、 カーテンでその光を遮断することになります。

結果、安定した光が入ってこなくなり、 家の奥の方が薄暗くなってしまいます。 キッチンや洗面所といった北に配置されやすい場所です。 ましてや、平屋を建てるとなると、 さらに建物が南北に細長くなるため、 奥どころか中間付近にも光が届きにくくなり、 余計にどんよりした家になってしまうかもしれません。 それゆえ、一般的には2階建てにし、 かつ個室を全て2階につくることで、 出来るだけ南の光を採り込むようにし、 まんべんなく家全体を明るくしようとします。 また、50坪の土地で平屋を建てるには、 家の面積を小さくする工夫もしなければいけません。 もちろん、住みやすさも開放感も一切失うことなく。 ですが、これも明るさの確保と同じぐらい難しいため、 多くの住宅会社が、 無難な2階建てを提案せざるを得ないというわけです。

✔︎鍵は、1つ1つをよく考えること

「全ての居室を南向きにすべきである」 という思い込みを多くの方がお持ちですが、 果たして、本当にそうすべきなのでしょうか?
もちろん、玄関、お風呂、トイレ、収納といった場所には、 直射日光は必要ないかもしれませんが、 では、寝室には直射日光が必要なのでしょうか? あなたは、一体何時に寝に行くのでしょうか? そして、一体何時に起きるのでしょうか? また、寝る時間以外で 寝室で過ごすことはあるのでしょうか? 子供部屋に関しても、 南向きの部屋にする必要はあるのでしょうか? 子供たちは日中ずっと部屋で過ごすのでしょうか? ガンガン直射日光が射し込んでくる部屋で、 勉強に集中出来るのでしょうか? 子供たちが家を出て行った後、 もし収納として使うとしたらどうでしょうか?

もちろん、これらの部屋は明るくあるべきなので、 光はたっぷりと射し込むようにすべき場所ですが、 玄関や水回り同様に、 南向きにこだわる必要はないと思いませんか?
そして、そう考えると、 南からの日光を採り込みたい場所は、 リビングダイニングキッチンと 洗濯干場ぐらいではないでしょうか?

また、これらの場所は、 直射日光を採り込みながらも、 プライバシーが担保されていることが 必須条件となります。
外から丸見えになれば居心地が悪くなってしまい、 結局カーテンが開けられなくなるからです。 洗濯物が丸見えになり、 景観と防犯性の両方が悪くなってしまうからです。

それゆえ、こういったことを加味しながら、 プライバシーを担保しつつ、 家全体が明るくなるように、 かつ、景観も防犯性もよくなるように、 かつ、家事動線もよくなるように、 間取りを考えていかなければいけません。
しかし、この考えに基づいて完成した平屋は、 これら全てを実現しつつも、 コストまで抑えることが出来ます。
また、平屋にすれば土地に無駄な余白が出来なくなり、 結果、外構工事費用もカットすることが出来ます。

ですから、どんな土地でも、 まずは平屋に出来ないかを基本に、 家づくりをしていただければと思います。
もちろん、先程もお伝えしたように、 50坪で平屋を建てようとしたら、 家をコンパクトにすることが 必要条件にはなりますけどね。

それでは、、、

38.毎月の返済額を決める時に留意すべき3つのこと

家づくりをするにあたって、 毎月の返済額をいくらにすべきなのか? お分かりになるでしょうか。
家賃ぐらいが妥当なのか? あるいは家賃より高くなって当たり前なのか? あるいは家賃より低く設定すべきなのか?
もちろん、正解は人によって違うため、 一概には言えませんが、 1つ言えることは、 毎月の返済額を決める上で、 知っておくべきコトが3つあるということです。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

まず、知っておくべきコトが、 家を持つと維持するためのコストがかかる ということです。
つまり、賃貸暮らしの時より、 出費が多くなるということですね。

・「固定資産税」(都市計画税) 家を持つと支払い義務が出来る税金ですね。
・「火災保険料・地震保険料」 家を持つと、絶対に火災保険を掛けなければいけません。

また地震保険は任意ですが、 これに加入するとなれば、さらに別途費用が必要だし、 これらの保険を継続して掛け続けていかなければいけません。
・「メンテナンス費用」 生涯暮らしていく住まいなので、 自己責任で定期的にメンテナンスをしていくようになるため、 この費用のことも、もちろん考慮すべきですよね。

以上の3つが、家を持つことで 掛かるようになるコストなのですが、 この他、家の面積も賃貸より大きくなるため、 家の性能や大きさ、暮らし方によっては、 光熱費が賃貸の時より高くなるかもしれないし、 もっと先を見据えると、 老後生活のためのリフォーム費用も必要となるため、 その費用のことも考慮すべきですよね。

続いて知っておいていただきたいことが、 可処分所得が下がっていくということです。 つまり、給料の手取り金額が減っていく ということですね。

この理由は、少子高齢化だからです。 高齢者が増え、介護料や年金が たくさん必要になるのに対し、 少子化が進むことによって、 社会保険を納付する人数が 減っていっているわけですからね。
私たちの社会保険の納付負担は、 上がって当然だというわけです。
ある大学の教授が調べたデータによると、 2035年には給料の天引きを60%までしないと、 日本の社会保障制度がもたないとも言われていますしね。

それゆえ、収入が上がっていくことを 前提とした返済シュミレーションや資金計画は、 大きなリスクを背負う原因となるかもしれません。
物価や税金も徐々に上がっていくことも 想定しておかないといけないですからね。 最後に知っておいていただきたいことは、 老後に備えて貯金をしていくべきである ということです。
少子高齢化のため、 私たちには現在支給されているほど 年金が支給されないでしょうし、 きっと年金を受け取ることが出来る年齢も遅くなるでしょう。

それゆえ、60歳や65歳で退職するのではなく、 もっと長く働かざるを得なくなると思いますが、 とはいえ、ずっと働くことが出来るかどうかは、 現時点では全く分かりません。
それゆえ、老後生活のための備えを 今からコツコツとしていく必要があるというわけです。 たとえ可処分所得が減ってしまったとしても、です。 いかがですか?

つまり、家づくりの資金計画は、 今の状況だけを考えてするのではなく、 以上の3つに共通するように 未来のことまで考慮しながら しなければいけないということです。
なので、周りのみんなや、 不動産屋や住宅会社にとっての 当たり前に影響を受けないように、 自分自身の収入と支出、 それから今後の暮らしのことまでよく考えた上で、 毎月の返済額を決定していただければと思います。
これが資金計画をする上で最も大切なコトです。

それでは、、、