2023年 5月 の投稿一覧

42.変動型も選べる人

変動型の住宅ローンのメリットは、 固定型に比べて金利が安いことです。
また、借入時にかかる経費が、 固定型よりも少ないのも変動型の大きな魅力です。
この他、固定金利に比べて、 貸し出し条件に融通がききやすいのも この変動型住宅ローンの 隠れメリットなのですが、 とはいえ、誰もが変動金利を 選んでいいわけではありません。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

その理由は、返済が終わるまでずっと 返済金額が固定されないからです。
つまり、3年後や5年後、10年後に 返済金額が変わってしまうかもしれない ということですね。 それゆえ、変動型の住宅ローンは、 選んでもいい方と選ぶべきじゃない方に分かれます。
では、選んでもいい方は一体どういう方なのでしょうか?

✔︎借入金額が少ない方

若干、抽象的な表現になってしまいましたが、 一体どれくらいが少ないのか?というと、 個人的には1500万円以下だと思っています。
となると、土地を持っていることは最低条件で、 かつ、自己資金をそれなりに入れられる人 ということになります。
あるいは、親からの援助がかなり期待出来る方ですね。

この理由は、借入金額が少なくて済むのと、 返済期間を短く設定することが出来るからです。
例えば、返済期間を20年で設定出来れば、 10年後に金利が変わる 変動型の住宅ローンを選んだとしても、 大してリスクがありません。 ほぼ半分返済が終わっているため、 多少金利が上がっても、 返済金額にそう大きな影響がないからです。
また、この場合、 金利見直し時に他の銀行で借り換えすれば、 再び最安のキャンペーン金利で 返済していくことが出来るし、 あるいは、それを阻止したい銀行が、 いい条件を提示してくれるかもしれないので、 結局、返済金額も上がりにくいという メリットも享受出来たりします。

✔︎貯蓄が出来る方

変動金利のリスクは返済金額が 最後まで一定じゃないというところです。

それゆえ、もし金利が上がった時には、 返済額が上がってしまわないように、 リスクヘッジが出来ないといけません。 そして、そのリスクヘッジが繰上げ返済です。
仮に、返済金額が一気に2万円も上がってしまったら、 とっても困りますよね。 でも、この時に繰上げ返済をすることで、 返済金額を今までと同じように保てれば、 別段困ることもないですよね。

そんなこんなで、 あなたがどのような状況であったとしても、 怠ることなくコツコツと貯蓄していくことが出来るのなら、 変動型を選ぶリスクはほとんどない と言っても過言ではないと思っています。 むしろ金利が安い分、 最後まで大して金利が上がらなかったとしたら、 終わってみたら最も金利の支払いが少ないかもしれませんしね。

いかがでしたか?
この2つのいずれかに当てはまるなら、 個人的には変動金利をオススメさせていただきます。

間違えても、冒頭でお伝えした メリットばかりに焦点を当てた状態で、 つまり目先の利益だけに囚われた状態で、 住宅ローン選びをしないように 気をつけていただければと思います。
ぜひ参考にしてください。

それでは、、、

41. 固定型を選ぶべき人

住宅ローンには、 変動金利固定金利の2つの種類がありますが、 どっちが良いかは一概には言えません。
しかし、それぞれに、 メリットとデメリットの両方が存在し、 それらは、あなた自身の状況によって 良い方向にも働けば、 逆に悪い方向にも働くものなので、 まずは、あなた自身の状況に どちらが適しているのかを知ることが大切です。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

では、今回は住宅ローンについて お伝えしていきますが、 そんなに難しい話じゃないので、 ぜひ最後までお付き合いください。
まずは固定金利を選んだ方が良い方からいきますね。

✔︎土地を買わないといけない人で、 かつ、土地を現金で買わない人

土地から買うとなると、 土地を持っている人に比べて、 土地の取得費用が丸々余分にかかります。
となると、当然のごとく 借入金額も大きくなり、 毎月の返済額とのバランスを考えると、 どうしても返済年数を長くせざるを得ないのですが、 そうなれば、途中で金利が上がってしまった時、 返済額がグンと上がってしまうかもしれないからです。

住宅ローンは商品の性質上、 はじめのうちは元本よりも利息の比率が高いため、 なかなか元本が減っていかないですしね。
そんなこんなで、 土地から買って家づくりをする人は、 少々金利は高いかもしれませんが、 景気の動向に関係なく、 返済額がずっと変わらない固定の方を 選ぶべきだということですね。

✔︎貯蓄が苦手な方

また、貯蓄が苦手な方(出来ない方)も、 固定金利を選んでおいた方が賢明です。
家づくりをする時に、 自己資金を全く入れられなかったり それほどいれられなかった方、ですね。

理由は、変動金利を選ぶ場合、 金利上昇リスクに備えて コツコツと貯蓄していけないといけないのですが、 これまで貯蓄出来てなかった人が、 家を建てたからと言って、 急に貯蓄出来るようになるとは思えないからです。
それゆえ、少々金利が高く 変動よりも返済額が増えてしまうものの、 家を失ってしまうという 最悪のリスクから身を守るためにも、 このタイプの人にも固定金利をオススメしている次第です。

✔︎最低限のことを勉強して知ることが大事

そして、僕が家を建てるみんなにお伝えしたいことが、 不動産屋や住宅会社に言われるがままの 住宅ローンを選ばない、ということです。
彼らの言いなりになってしまうと、 取引している銀行の住宅ローンをすすめられ、 良いか悪いかも分からないまま、 少ない選択肢の中で選ばされることになるからです。

結果、自分が選んでいる住宅ローンが、 どんな商品なのかもよく理解していないまま、 ローンを払っているという 最悪の状況になってしまいます。
また、固定金利を選べば、 どれを選んでも良いというわけでもありません。
銀行によって金利や手数料といった 条件が全く違うからです。

それゆえ、大切なお金のことは、 全て人任せにするのではなく、 自分自身も勉強して、 最低限の知識をつけるように していただければと思います。

では次回は、変動金利を選んでも良い方 についてお伝えしていきたいと思います。
まっ、簡単に言うと今日と反対の方ですかね。

それでは、、、

40.家の基本的な考え方

もちろん、土地の広さや形、環境などによって、 たとえ平屋が建てられる土地でも、 2階建てにせざるを得ない場合もありますが、 それらの条件をかんがみて 問題なく平屋が建てられるとしたら、 そうすべきだと個人的には思っています。
耐震性、耐久性、将来性、住みやすさ、コスト、 これら全てが2階建てよりも優れているからです。
それゆえ、前回ご紹介させていただいた 間口9m×奥行き18mの50坪の南向きの土地でも、 まずは平屋が建てられないかを考えるべきです。

おはようございます。SIMPLE NOTEサイトウです。

この土地の一番の特徴は、 南向きであるがゆえに、 光を阻害されるものがないということです。
しかし、だからと言って南にリビングを配置し、 そこに大きな窓をつくったとしても、 そこは外から丸見えになってしまうため、 カーテンでその光を遮断することになります。

結果、安定した光が入ってこなくなり、 家の奥の方が薄暗くなってしまいます。 キッチンや洗面所といった北に配置されやすい場所です。 ましてや、平屋を建てるとなると、 さらに建物が南北に細長くなるため、 奥どころか中間付近にも光が届きにくくなり、 余計にどんよりした家になってしまうかもしれません。 それゆえ、一般的には2階建てにし、 かつ個室を全て2階につくることで、 出来るだけ南の光を採り込むようにし、 まんべんなく家全体を明るくしようとします。 また、50坪の土地で平屋を建てるには、 家の面積を小さくする工夫もしなければいけません。 もちろん、住みやすさも開放感も一切失うことなく。 ですが、これも明るさの確保と同じぐらい難しいため、 多くの住宅会社が、 無難な2階建てを提案せざるを得ないというわけです。

✔︎鍵は、1つ1つをよく考えること

「全ての居室を南向きにすべきである」 という思い込みを多くの方がお持ちですが、 果たして、本当にそうすべきなのでしょうか?
もちろん、玄関、お風呂、トイレ、収納といった場所には、 直射日光は必要ないかもしれませんが、 では、寝室には直射日光が必要なのでしょうか? あなたは、一体何時に寝に行くのでしょうか? そして、一体何時に起きるのでしょうか? また、寝る時間以外で 寝室で過ごすことはあるのでしょうか? 子供部屋に関しても、 南向きの部屋にする必要はあるのでしょうか? 子供たちは日中ずっと部屋で過ごすのでしょうか? ガンガン直射日光が射し込んでくる部屋で、 勉強に集中出来るのでしょうか? 子供たちが家を出て行った後、 もし収納として使うとしたらどうでしょうか?

もちろん、これらの部屋は明るくあるべきなので、 光はたっぷりと射し込むようにすべき場所ですが、 玄関や水回り同様に、 南向きにこだわる必要はないと思いませんか?
そして、そう考えると、 南からの日光を採り込みたい場所は、 リビングダイニングキッチンと 洗濯干場ぐらいではないでしょうか?

また、これらの場所は、 直射日光を採り込みながらも、 プライバシーが担保されていることが 必須条件となります。
外から丸見えになれば居心地が悪くなってしまい、 結局カーテンが開けられなくなるからです。 洗濯物が丸見えになり、 景観と防犯性の両方が悪くなってしまうからです。

それゆえ、こういったことを加味しながら、 プライバシーを担保しつつ、 家全体が明るくなるように、 かつ、景観も防犯性もよくなるように、 かつ、家事動線もよくなるように、 間取りを考えていかなければいけません。
しかし、この考えに基づいて完成した平屋は、 これら全てを実現しつつも、 コストまで抑えることが出来ます。
また、平屋にすれば土地に無駄な余白が出来なくなり、 結果、外構工事費用もカットすることが出来ます。

ですから、どんな土地でも、 まずは平屋に出来ないかを基本に、 家づくりをしていただければと思います。
もちろん、先程もお伝えしたように、 50坪で平屋を建てようとしたら、 家をコンパクトにすることが 必要条件にはなりますけどね。

それでは、、、

38.毎月の返済額を決める時に留意すべき3つのこと

家づくりをするにあたって、 毎月の返済額をいくらにすべきなのか? お分かりになるでしょうか。
家賃ぐらいが妥当なのか? あるいは家賃より高くなって当たり前なのか? あるいは家賃より低く設定すべきなのか?
もちろん、正解は人によって違うため、 一概には言えませんが、 1つ言えることは、 毎月の返済額を決める上で、 知っておくべきコトが3つあるということです。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

まず、知っておくべきコトが、 家を持つと維持するためのコストがかかる ということです。
つまり、賃貸暮らしの時より、 出費が多くなるということですね。

・「固定資産税」(都市計画税) 家を持つと支払い義務が出来る税金ですね。
・「火災保険料・地震保険料」 家を持つと、絶対に火災保険を掛けなければいけません。

また地震保険は任意ですが、 これに加入するとなれば、さらに別途費用が必要だし、 これらの保険を継続して掛け続けていかなければいけません。
・「メンテナンス費用」 生涯暮らしていく住まいなので、 自己責任で定期的にメンテナンスをしていくようになるため、 この費用のことも、もちろん考慮すべきですよね。

以上の3つが、家を持つことで 掛かるようになるコストなのですが、 この他、家の面積も賃貸より大きくなるため、 家の性能や大きさ、暮らし方によっては、 光熱費が賃貸の時より高くなるかもしれないし、 もっと先を見据えると、 老後生活のためのリフォーム費用も必要となるため、 その費用のことも考慮すべきですよね。

続いて知っておいていただきたいことが、 可処分所得が下がっていくということです。 つまり、給料の手取り金額が減っていく ということですね。

この理由は、少子高齢化だからです。 高齢者が増え、介護料や年金が たくさん必要になるのに対し、 少子化が進むことによって、 社会保険を納付する人数が 減っていっているわけですからね。
私たちの社会保険の納付負担は、 上がって当然だというわけです。
ある大学の教授が調べたデータによると、 2035年には給料の天引きを60%までしないと、 日本の社会保障制度がもたないとも言われていますしね。

それゆえ、収入が上がっていくことを 前提とした返済シュミレーションや資金計画は、 大きなリスクを背負う原因となるかもしれません。
物価や税金も徐々に上がっていくことも 想定しておかないといけないですからね。 最後に知っておいていただきたいことは、 老後に備えて貯金をしていくべきである ということです。
少子高齢化のため、 私たちには現在支給されているほど 年金が支給されないでしょうし、 きっと年金を受け取ることが出来る年齢も遅くなるでしょう。

それゆえ、60歳や65歳で退職するのではなく、 もっと長く働かざるを得なくなると思いますが、 とはいえ、ずっと働くことが出来るかどうかは、 現時点では全く分かりません。
それゆえ、老後生活のための備えを 今からコツコツとしていく必要があるというわけです。 たとえ可処分所得が減ってしまったとしても、です。 いかがですか?

つまり、家づくりの資金計画は、 今の状況だけを考えてするのではなく、 以上の3つに共通するように 未来のことまで考慮しながら しなければいけないということです。
なので、周りのみんなや、 不動産屋や住宅会社にとっての 当たり前に影響を受けないように、 自分自身の収入と支出、 それから今後の暮らしのことまでよく考えた上で、 毎月の返済額を決定していただければと思います。
これが資金計画をする上で最も大切なコトです。

それでは、、、

39.スタンダードは「ベスト」となり得るのか?

例えば、あなたが買う土地が50坪だとしたら、 どのような家を建てようと思いますか?
また、その土地の間口が9mで、 奥行きが18mだとしたら、 どのような間取りが出来上がると思いますか?
さらに、その土地が南向きだとしたら、 どのような暮らしをイメージしながら、 間取りや外観を決めていきますか?


おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

このような条件を持つ土地の場合、 一般的には2階建ての家が建ちます。

1階にはリビングダイニングキッチンと 水回りとタタミコーナーがあり、 2階には寝室と子供部屋と納戸があるお家、 といった感じですかね。
そして、水回りを北に配置しつつ、 居室を出来るだけ南向きに配置し、 2階には大きなベランダを設置し、 1階にはウッドデッキを設置します。
もちろん、南向きでつくった居室には、 大きな窓をつくり、 南からの光をたっぷりと採りこみつつ、 ベランダやウッドデッキに 出られるようにするでしょう。

いかがでしょう?
果たして、 「開放的で日当たりがいい南向きの土地の良さを ふんだんに生かした住まいの出来上がりです!」 ということに、なるのでしょうか?
果たして、 「想像通りの明るくて開放的で、 居心地が住まいの出来上がりです!」 ということになるでしょうか?

ならないですよね・・・
だって、道行く人たちから家の中が全部 丸見えになってしまいますもんね・・・

では、丸見えを隠す作業をしていきましょう。

まずは、外から見える大きな窓には、 全てカーテンをつけていきます。
でも、レースだけでは心もとないので、 遮光カーテンもつけないといけませんね。 厳しい直射日光もガンガン入ってくるわけですしね。ウッドデッキも丸見えでは使いづらいですよね。
ですから、植栽や目隠しをせざるを得なくなります。 あるいは、丸見えのまま放置し、 ずっと使わないまま飾りとして置いておきますか?

次に、洗濯について考えてみましょう。 まず、ベランダで洗濯物を干すと とってもよく乾きそうな気がしますが、 でも、そうすれば洗濯物が丸見えになってしまいますよね?
そして、家の景観が台無しになってしまいますよね?

また、干しに行くためにわざわざ2階に上がり、 たたむために再び1階に降りてきて、 再び片付けるために、 また上に上がらなければいけないとしたら、 これって良い家事動線なのでしょうか?
ですよね・・・非効率ですよね・・・

では、続いて片付けや掃除について考えてみましょう。
実は、このお家はとっても 片付けや掃除がしにくくなってしまうんです。
その一番の理由は、 子供部屋がうまく活用出来ないからです。 子供は親のそばに居たいものだし、 ただでさえ片付けもしないのに、 さらにそれを上に持ってけって言っても、 持っていくわけありませんからね(笑) で、リビングに何もかもが集まり、 常に散乱してしまうというわけです。

言われてみると確かにと思う、 簡単な話なのですが、 これらを要約すると、 よく考えて間取りを考えるようにしないと、 明るくもなければ、開放的でもない、 そして、家事動線もよくなければ、 片付けや掃除もしにくい家を、 より高いコストをかけながら建ててしまう、 というわけです。

ということで、次回は、 50坪の土地に建つ一般的じゃない家について ご紹介させていただこうと思います。
今回ご紹介したお家を常識的だとするならば、 次回お伝えするお家はなかなか非常識なので、 ぜひ楽しみにしていてくださいねっ!

それでは、、、

37.開放感が出る家、出ない家

家を建てる誰もが、 ほとんどの時間を過ごすリビングダイニングキッチンを 明るく開放的な空間にしたいとお考えだと思います。
そして、そのために、 出来るだけリビングダイニングを広くつくり、 採光が確保出来る方位に大きな窓をつくり、 その窓の向こうにゆったりとした庭をつくりたいと お考えなのではないでしょうか?

しかし、果たして、 この計画通りに出来上がった家は、 本当に明るいのでしょうか? また、開放感溢れる空間となるのでしょうか?

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

もちろん、その答えは「No!!」です。 カーテンが全てを台無しにしてしまうからです・・・
まず、明るい空間にするためには、 窓から入ってくる光を 遮らないようにしなければいけません。
そして、室内に入ってきた光を 拡散させなくてはいけません。

それゆえ、視線を遮るためのカーテンを 設置しなくていいようにすることが、 明るい家にするために欠かせない要素となります。 また、開放感が感じられるかどうかは、 もちろん、広さも関係ありますが、 それだけじゃなく、 空間に奥行きが感じられることも大切な要素となります。

つまり、視覚的に広がりが感じられるかどうかが 重要であるということですね。

✔鍵を握るのは「プライバシーの担保」

視線を遮るためのカーテンをしなくていいようにするには、 リビングダイニングが周囲から 丸見えにならないようにしなければいけません。
また、それと同時にリビングから続く庭も 周囲から丸見えにならないようにしなければいけません。
そして、これらが実現出来れば、 リビングにたくさんの光が射し込んでくるのですが、 今度は、その光を全体に拡散させなくてはいけません。

それゆえ、壁紙をはじめとした室内に使う材料は、 基本的には白で統一することをオススメしています。 最も光の拡散効果があるのが白だからです。
また、開放感を出すために、 天井の高さだけを上げようとしてしまいますが、 実は、天井の高さだけを上げても、 それほど開放感が上がるわけではないし、 ましてやカーテンがずっと閉まったままでは、 視覚的な広がりを感じにくく、 逆に閉塞感を感じやすくなってしまうため、 わざわざ余分なコストを掛けてまで そうする意味が全くないと言っても過言ではありません。

であれば、天井の高さと、 室内のドアや窓の高さをそろえる方が、 遥かに空間に奥行きが感じられるようになります。 視線が高い位置に向くし、 天井が続いていることで抜け感が出るし、 窓から入る光量も増える上、 天井付近まで光が拡散し、 より明るい空間が実現出来るからです。

大切なことは、 実際暮らしてみるとどのようになるのかを、 設計の段階で想像することです。
難しいことかもしれませんが、 想像してみることはとっても大切なことだし、 ここ最近は、CADを使って プランの説明をすることが当たり前となっているので、 近隣に建つ家などもCADに入力してもらった上で、 光の入り具合や眺めなどを見ると、 よりイメージが湧きやすいと思います。

建ってから「しまった!!」と思うのでは 取り返しがつきません・・・ ですから、そんな後悔をしないためにも、 以上のことに留意しながら 間取りを考えていただければと思います。

それでは、、、

36.使えるウッドデッキ、使えないウッドデッキ

ウッドデッキは、 新居にとって欠かすことが出来ない アイテムではないでしょうか。
そこでバーベキューをする。 そこで子供たちを遊ばせる。 そこで本を読み、ひなたぼっこをする。 想像しただけでもマイホームの夢が広がりますよね。

しかし、高いお金を出してつくったにもかかわらず、 ほとんど使ってない・・・という方が 決して少なくないというのも、また1つの事実です。
そして、その一番の理由は、 「周囲から丸見えだから」なのですが、 せっかくウッドデッキをつくるんだったら、 思い描いている夢を実現したいですよね。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

では、そのために、 まずはウッドデッキの現実から考えていってみましょう。

✔使えないウッドデッキ

まず、南向きの土地から考えてみます。
この場合、南にリビングを配置することが 当たり前となっていることから、 必然的にウッドデッキも南につくることになるのですが、 この結果、歩く人、自転車をこぐ人、車を運転する人、 そしてご近所さんたちから、 常に丸見えのウッドデッキが出来上がることになります。

想像してみてください・・・ こんな丸見えのところで、 バーベキューが出来るでしょうか・・・ 道路がすぐ目の前にあるような場所で、 子供たちを安心して遊ばせられるでしょうか・・・ こんな丸見えの場所で、 読書やひなたぼっこを楽しめるでしょうか・・・ オープンな状態でウッドデッキをつくると、 これらが実現出来なくなってしまいます。

また、これらを実現するための現実的な解決方法は、 目隠しや塀や植栽をつくることで、 周囲からの視線を遮断することですが、 これはこれで、外構工事に途方もない費用が掛かることになるし、 敷地もより広く必要となるため、 土地取得費用にまで余計なコストがかかることになります・・・

続いては、西向き・東向きの土地について考えてみます。
これらの土地では、基本的に 道路面にウッドデッキをつくりません。 (リビングと大きな窓とウッドデッキは 南につくるものだという固定概念があるからです)
それゆえ、南向きの土地に比べて、 周囲からの視線の気になり度は低くなります。
しかし、この場合も、 道路面からの視線を遮断する工夫、 つまり目隠しや塀や植栽などをしないと、 プライバシーが担保された状態にはならないので、 外構工事により多くのコストが必要となります。

また、これらの土地の難点は、 家の南側が日影になる場合が多いことなのですが、 そうなればウッドデッキをつくっても、 日差しや光がそこに注がれにくくなってしまいます。
結果、薄暗く居心地がそれほど良くないことを理由として、 使わないまま放置されることになるというわけです。

では、北向きの土地はどうなのでしょうか? この場合、敷地が南北に長い形状をしていると、 家の裏側となる南に庭がつくれるだけの スペースが残しやすくなります。

結果、塀や目隠しや植栽などに、 それほどコストをかけることなく、 プライバシーがそれなりに担保された ウッドデッキをつくることが出来ます。 また、道路に飛び出す心配もないため、 安心して子供たちを庭で遊ばせやすくなります。
しかし、西向き・東向きの土地同様に、 多くの場合、南に建つ隣家との距離が十分にとれないため、 そうなれば、ウッドデッキどころか リビングまでも薄暗くどんよりとした空間になりやすいのが、 この北向きの土地が持つ特徴でもあるんですよね・・・

✔そもそもの前提を変える

これまでの話は全て、 リビングを一番南につくり、 かつその延長線上にウッドデッキをつくることを 前提としてお伝えしてきました。 ですが、結論から申し上げると、 この前提の間取りで家を建ててしまうこと自体が、 そもそもウッドデッキを使えなくする大きな原因となります。
それゆえ、この固定概念を一旦白紙にした上で、 家づくりを進めていただくことが、 使えるウッドデッキをつくる最良の方法となります。
そこはプライバシーが担保された、 とっても居心地の良い空間となります。 サンサンと光が降り注ぐ最高の空間となります。

そこで、子供たちを伸び伸びと遊ばせてやってください・・ そこで、読書をし、ひなたぼっこをしてください・・ そこで、バーベキューを存分に楽しんでください・・ そこで、空を眺めてボーッとしてください・・ そこで、外を感じたり、四季を感じたり、 時間の経過を愉しんでください・・ せっかく高いお金を出して ウッドデッキをつくるんだったら、 こんな贅沢な時間と、豊かな時間が過ごせる、 素晴らしいデッキづくりをしませんか?

それでは、、、

35.出来れば家からなくしたいもの

「廊下が欲しいです」という要望を お聞きすることなんてほぼほぼないし、 そうしたいと思っている方も ほとんどいないと思います。
実際、廊下はただ通るだけのスペースだし、 廊下があることで 家の中に温度差が生まれやすくなるし、 ヒートショックを起こしやすくなるため、 出来るだけなくすように設計すべきなのですが、 意識しながら間取りを考えないと、 知らず知らずの間にたくさん出来てしまうのが この廊下です。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

例えば、2階建ての家を建てる場合、 2階に寝室や子供たちの部屋といった プライベートルームを配置することが多いですが、 それぞれの部屋に行くための通路や トイレや納戸に行くための通路を 確保しなければいけなくなるため、 必然的に廊下がたくさん出来ることになります。
また、客間をつくる場合も、 リビングと分断された場所につくるとなれば、 そこには廊下が必要となるし、 リビングの外に階段をつくる場合も、 廊下から階段を上り下りするようになるため、 必然的に廊下が増えることになります。

さらに、収納を通り抜けることが出来る いわゆる“通り抜け動線”をご希望される方も 決して少なくないと思いますが、 通り抜け動線をつくれば、 必然的に収納の中に廊下が出来てしまうため、 収納としての機能も半減させてしまうことになります・・・

✔廊下に対する認識

このように、間取りのつくり方や要望によっては、 知らず知らずの間に廊下がたくさん出来てしまうのですが、 もちろん廊下にも部屋や収納と同じようにコストがかかっています。
基礎もあれば、床も壁も天井も屋根もあるわけですからね。 そして、そのコストを換算すると、 タタミ1帖あたり25〜30万円ほどになります。

つまり、家全体で廊下が6帖あれば、 欲しいとも思っていないのに、 知らない間に150〜180万円ものコストが かかっているということですね。
また、廊下にかかるコストは 廊下そのものにかかるコストだけではありません。 廊下をつくれば、 部屋と部屋を出入りするために、 一旦廊下に出なければいけないため、 必然的にドアの本数も増えることになるからです。
それゆえ、出来るだけ廊下を減らすことが 自然と家のコストカットにつながるということになります。

✔プライバシーをどう考えるか?

ただ、廊下がないということは、 イコール部屋と部屋がダイレクトにつながっている ということでもあるため、 家族間のプライバシーが、 若干守られにくくなってしまいます。
そして、これを「よし」とするかどうかで、 廊下の分量が決まってくるのですが、 あなたならどうお考えになるでしょうか? 子供が小さいうち。 子供が思春期になった時。 子供が家から出て行った後。 年をとり老後になってから。 あなたは、そのお家で 生涯暮らしていくことになります。

なので、わずかの期間に目を向けるのではなく、 今のことも、ちょっと先のことも、 そして、もうちょっと先のことも、 さらには、もっともっと遠い未来のことまでご想像いただき、 家の間取りをつくることが大切です。

ということで、 欲しいと思っていないものにまで、 知らない間にコストがかかっているということ、 そして、家は今だけじゃなく、 もっと先のことまで想像しながら、 考えていくことが大切である、 ということを意識しながら 家づくりをしていただければと思います。

それでは、、、

34.心の会計をコントロールすることが大切

家を買う時、多くの方が “金銭感覚の麻痺”という現象に陥ります。
例えば、日常生活の中で5万円の買い物は、 安易に決断することが出来ない大きな買い物ですが、 なぜか家づくりをしている時には、 食後に頼むドリンクよりもあっさり決断してしまいます。
まっ、2000万円という買い物においては、 5万円はわずか0.25%という割合なのに対し、 800円のランチに200円のコーヒーをつけるとなると、 その割合が25%にもなってしまうので、 割合的に考えると決して不思議なことじゃないんですけどね。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サイトウです。

とはいえ、この相対思考は家にかかる費用だけじゃなく、 家に付随して掛かる費用にも同じように起こりうるので、 家づくりをする時は、 財布のヒモをしめるよう常時心掛けておくべきです。

✔大切な資金計画

そして、財布のヒモをしめるために、 家づくりはまずは資金計画から始めるべきなのですが、 間違えてはいけないのが、そのやり方です。 資金計画では、最初にあなたの予算から設定します。
家づくり全体の総予算を把握しないことには、 土地や家や外構にそれぞれ一体どれだけの予算を 掛けるべきなのかが具体的に分からないからです。

この順番を間違えてしまい、 予算の振り分けが出来ていない状態で 先に土地を買ったり、 先に家のプランを描いてしまったら、 予算オーバーを招く大きな原因となります。
そして、そのしわ寄せが、 今後ずっとあなたの負担になり続けます。

また、資金計画の時に気を付けるべきなのが、 “毎月の返済金額”です。
この金額を不用意に上げてしまうと、 カツカツの暮らしになりやすいからです。
家を持つと、固定資産税という税金が掛かるし、 火災保険にも加入しないといけないし、 家のメンテナンスもしないといけないため、 アパート暮らしの現在よりも、 確実に負担が増えることになります。
それゆえ、返済金額の設定に気を付け、 無理のない予算を設定し、 その範囲内で家づくりをしていくことが 何より大切なことではないでしょうか。

✔家づくりの打ち合わせをしている時の注意点

冒頭でお伝えしたように 日常では高いと感じる金額でも、 間違いなく家づくりでは 高いと感じにくくなってしまいます。
結果、これくらいなら・・と、 どんどん追加をしやすくなるのですが、 これも積み重なれば大きな金額となります。 そして、それらが今後あなたの負担になりかねません。

また、家づくりをする時には、 色んな会社の家を見に行くだけじゃなく、 インターネットやSNSで色んな検索をすると思いますが、 これらも予算が上がる原因となります。
広告にさらされたオンラインの世界に どっぷりと浸かってしまうと、 夢ばかりが大きく膨らんでしまうからです。
ですから、家づくりを進めていく上では、 マイナスとなる要素についても、 同時に考えられるようにしておくべきです。
どうしても叶えたいことが、 50万円高くなることだとしたら、 優先順位が低いもので50万円削れないかを 考えるという風に、です。

これが出来れば予算の調整がしやすくなり、 最初に立てた資金計画どおりに 家づくりを完結しやすくなります
ということで、金銭感覚が狂いやすい家づくりで 大きな負担を背負ってしまわないために、 以上の点に注意しながら、 家づくりを進めていっていただければと思います。

それでは、、、