2023年 2月 の投稿一覧

20.北向きの土地のメリットとデメリット

北向きの土地の基本的なメリットは、駐車場と庭が分離出来ること、そして、居住スペースが道路と反対側につくれるため、プライバシーが確保しやすいこと、ですが、敷地の奥行きが深くなればなるほど、その恩恵をより享受しやすくなります。

敷地の奥行きが深くなれば、その分、家の南側に庭が確保しやすくなるし、南側に建つ隣家から充分に距離をとることが出来、居住スペースに南からたっぷりと光が入ることから、明るくて開放的で、かつ庭と一体感があるリビングダイニングキッチンをつくりやすいからです。
それゆえ、プロである住宅会社側では、間口に比べて奥行きが深い北向きの土地が、全ての土地の中で最も良い土地である、と言われています。

おはようございます。
simple note 半田スタジオ サカキバラです。

他方、奥行きが浅い北向きの土地は、南側に建つ隣家との距離が近くなってしまうため、南からの光が充分に採れなくなるし、同時に、プライバシー性に優れた庭も充分な広さを確保することが出来なくなります。
つまり、日当たりが悪い、暗い・寒い・ジメジメの三拍子揃った家になりやすく、かつ、北向きの土地のメリットであるプライバシー性が高く安全な庭をつくることも出来なくなってしまう、というわけですね。

これが、一般的に、誰もが北向きの土地を避ける最大の要因となるわけですが、実際、北向きの土地の多くは、奥行きがそれほど広くないため、そのデメリットを諸(もろ)に受けやすくなってしまいます。
不動産屋さんが、土地の奥行きを深くしない理由は、価格設定はそのままで奥行きを深くとろうとすれば、その分、間口を狭めるしかないため、そうなれば土地が細長くなり、結果、見た目が悪くなるし、建てる家の自由度が低くなってしまうからです。

また、奥行きも間口も広くつくってしまうと、最も価格設定を低くせざるを得ない北向きの土地の面積が増えてしまい、結果、不動産屋さんの儲けが減ってしまうからです。

✔︎ネガティブな要素を逆手にとる!

このような理由から、北向きの土地は、南向きの土地に比べて、ずいぶんと安く価格が設定されているわけですが、この“安い”という大きなメリットは、決して見逃してはいけない要素です。

しかし、このメリットを得るためには、暗くなりそう・寒そう・ジメジメしそう・という大きなデメリットをクリアしなければいけません。
例えば、たとえ日当たりが悪いと分かっていても、どうしてもリビングを南につくりたいとお考えであれば、リビングを吹抜けにするという解決策があります。
1階の窓に光が射し込まないのであれば、より高い2階の窓から光を採り込めばいいからです。

また、リビングの位置を南にこだわらないのであれば、リビングを南ではなく北に配置し、そのリビングの南面に大きな窓をつくるという解決策もあります。
南側に建つ隣家から距離が遠くなれば、南からの光をたっぷり採り込むことが出来るからです。

このように、土地が持つデメリットを解決することが出来る手段が『設計』であり、その土地に合わせて間取りを考えることさえ出来れば、たとえ日当たりが悪そうな土地であったとしても、明るく開放的な住まいをつくることが出来ます。
もちろん、プライバシーも完璧に確保しながらです。

ということで、ただ単に、日当たりが悪そうな北向きの土地というだけで、この土地を選択肢から外してしまわないように、注意していただければと思います。

土地選びで“価格が安い”ということは、とってもとっても大事なことですから!

それでは、、、

19.西向きの土地のメリットとデメリット

前回、東向きの土地について、
メリットとデメリットを踏まえながらお伝えさせていただきましたが、引き続き今回は、
西向きの土地について、お伝えしていきたいと思います。

おはようございます。
SIMPLE NOTE 半田スタジオ サカキバラです。

まず、西向きの土地のメリットと考えられていることが、『居住スペースを全て南に配置出来る
ということです。
東向きの土地と全く同じですね。

しかし、東向きの土地同様に、全ての部屋を南に配置した場合、2階はまだしも、1階の南の窓から見える景色は、南に建っている家の裏側となります。

つまり、給湯器やエアコンの室外機置き場、また、ゴミ置き場となっているであろう
ゴチャゴチャした汚い景色を眺めて過ごすことになる というわけですね。

あるいは、それを避けるために、 常時カーテンを閉めておく か、余分なコストをかけ目隠しや植栽などをつくる ことで、その汚い景色を防がざるを得なくなってしまいます。

また、西向きの土地は、午後からの日当たりが良さそうに思いますが、その恩恵を受けるために、西面に大きな窓をつくってしまうと、 厳しい西日をずっと浴び続ける ことになります。
となると、夏場、家の中が暑くなりやすく、 結果、光熱費がかさんでしまうことになります。
厳しい紫外線を浴び続けることによって、床材や家具やカーテンなども焼けてしまいますしね・・・

そして、それを防ぐために、結局ずっとカーテンを閉めっぱなしにせざるを得なくなってしまいます
東向きの土地と同じように、周りの人の目も気になるわけですしね・・・
結果、家の中が薄暗くなり、 日中ずっと照明が必要な家になってしまう というわけです。

さらに、西向きの土地は東向き土地同様に、隣家が近くに建っているにもかかわらず、一番南にリビングを配置しようとすれば、 光がほとんど入ってこなくなってしまいます
結果、西からの光も南からの光も充分に採り込むことが出来ない家になってしまうというわけです。
東に家が建っている場合、 午前中も光が採りにくい わけですしね。

✔︎西向きの土地で住みやすい家を建てるには?

大切なことは、周囲から丸見えにならないようにしつつ、家全体が明るくなるように、どのように採光を確保するのか? ということです。
つまり『プライバシーと明るさを両立させる』というわけですね。
そしてそのためには、接道面である西の窓を最小限にしながらも、リビング・ダイニング・キッチンはもちろん、洗面脱衣室や寝室・子供部屋が明るくなるように窓をつくることが出来るよう間取りを考えなければいけないわけですが、これを実現するためには、以下のすべてを頭の中からリセットしていただく必要があります。

・居住スペースは全て南に配置する
・日影には家を建てない
・子供部屋は2階につくる
・水回りは基本的に北に配置する
・階段は日当たりが良い南にはつくらない

多くの方がこの5つを前提として家づくりをしてしまうのですが、実は、これらは住みにくい家をつくる大きな原因となるため、まずは、これらの固定概念を頭の中から一旦取り除いていただくことが大切です。

そして、それが出来れば、間取りの選択肢が一気に増えるし、土地選びもずいぶんと自由度が増します。
土地選びの自由度が増す理由は、この固定概念さえなくなれば、土地の日当たりの良し悪しに関係なくどんな土地でも光が差し込む明るくカラッとした家を建てることが出来るからです。

ということで、西向きの土地でも、間取り次第で明るくて住みやすい家にすることが出来るので、西向きのネガティブなイメージは一旦削除しながら土地選びをしていただければと思います。

それでは、、、

 

18.東向きの土地のメリットとデメリット

一般的には、南向きの土地が一番良いと言われていますが、この南向きの土地にもデメリットは存在します。

また、逆に南向き以外の土地は、デメリットが強調されがちですが、北、東、西、それぞれに、その土地ならでは、のメリットも存在します。

おはようございます。
simple note 半田スタジオ サカキバラです。

では今回からは、東・西・南・北それぞれの土地のメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。

✔︎東向きの土地について

東向きの土地の場合、まず『朝日が入りやすい』というメリットがあると考えられていますが、このメリットをそのまま取り入れるために、東側に大きな窓をつくってしまったら、

家の中が外から丸見えになってしまいます・・・

そして、それを防ぐためにカーテンをつけざるを得ないし、さらに、そのカーテンを常時閉めておかないといけません

結果、カーテンのせいで、家の中が薄暗くなってしまい日中ずっと照明をつけておかないといけません・・・

また、台風の時に備えてその窓にシャッターまで設置するとなれば、その分コストがかさむだけじゃなく、家の景観までも乱してしまうことになりますが、高いお金を出して建てたお家なので、せめて家の正面ぐらいは美しくしておきたいと思いませんか?

次に、東側接道の土地は、『居住スペースを全て南向きに出来る』というメリットがあると考えられていますが、これは、玄関を南に配置する必要がないからです。

しかし、ここで考えていただきたいことは、“そもそも居住スペースを全て南に配置する必要があるかどうか?”ということです。
全ての部屋を南に配置した場合、2階はまだしも、1階の南の窓から見える景色は、南に建っている家の裏側となります。

つまり、給湯器やエアコンの室外機置き場、また、ゴミ置き場となっているであろうゴチャゴチャした汚い場所を眺めて過ごすことになるというわけです。

あるいは、それを避けるために、リビングの窓のカーテンを常時閉めておくか、余分なコストをかけ、目隠しや植栽などをつくり汚い景色を防がざるを得なくなるというわけです。

また、東向きの土地の場合、隣家が近くに建っているにもかかわらず一番南にリビングを配置すれば、リビングには光が入ってきにくくなります
そして、そうなれば、冬に寒くなりやすく、結果光熱費も高くなってしまいます

いかがですか?

周囲の環境のことを考慮して間取りをつくらないと、本来メリットと考えられているようなことでさえも、逆にデメリットになってしまうということが、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

それゆえ、このようなデメリットが生じないよう間取りを考えていかなければいけません。

✔︎そもそも、全室南向きである必要はあるのか?

多くの方が、居住スペースを出来るだけ南に配置しようとしますが、果たしてその必要はあるのでしょうか?

例えば、寝室はどうでしょうか?
あなたは一体何時から何時までこの部屋を使っているのでしょうか?
そして、寝ている時間以外、この部屋で過ごすことはあるのでしょうか?
また、子供部屋に関しても、南向きの部屋である必要があるのでしょうか?
子供部屋を子供部屋として使用する期間は果たして一体どれくらいあるのでしょうか?
そして、子供たちが家を出て行った後は、その部屋をどのようにお使いになるのでしょうか?

これらの部屋は、明るくあるべきではあるもののそのために必ずしも南向きにする必要はないとは思いませんか?

このように部屋の向きを、必ずしも南向きにしなくてよくなれば、ずいぶんと間取りに自由度が出るし、敷地をより有効活用出来るようになり、結果的に、先程挙げた幾つかのデメリットをすべて解消しやすくなります。

ということで、東向きの土地で家を建てる予定の方は、東向きの土地のメリットだけじゃなく、デメリットもよく理解し、出来上がった間取りがその土地で考えられるデメリットを解消出来るかどうかを頭の中でシュミレーションしながら設計図とにらめっこしていただければと思います。

それでは、、、