2023年 11月 の投稿一覧

109.不動産屋と建築屋の領域

土地を決める時は、 自分たちだけで判断すべきでもなければ、 不動産屋さんに相談すべきでもありません。
というのも、あなたも不動産屋さんも 建築のプロではないため、 その土地が予算的にも建築的にも いい土地かどうかがハッキリと分からないからです。
つまり、土地の良し悪しは、 建築とセットで考えないといけないというわけですね。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

では、建築会社に相談しないまま 土地を決めてしまった場合、 一体どういうことが起こってしまうのか、 具体的にお伝えしていきたいと思います。

✔︎無茶苦茶予算オーバーする!?

まず、一番みんながやってしまう失敗が、 土地にお金を使い過ぎてしまうことです。
結果、肝心要の建築の予算が減り、 あなた自身も困るし建てる側の建築会社も困ります。
あるいは、建築コストも抑えなかったとしたら 住宅ローンにそのしわ寄せが来てしまいます。

ゆえ、家を建てることを決めた時、 真っ先に不動産屋に行くのではなく、 その前に建築会社に行って、 土地にかける予算がいくらなのかと 家にかける予算がいくらなのかを試算してもらった上で、 土地探しを始めてもらえたらと思います。

この流れで土地探しを始めた場合、 もしかしたらあなたが望んでいるような土地を 買うことが出来なくなるかもしれません。
一般的にいい土地だと言われている 「南向きの土地」や「形がいい土地」などです。
しかし、設計とは、 『土地が抱える問題を解決する手段』です。
言い換えると、家は土地の環境に合わせて 間取りや外観をつくっていくものであるため、 たとえ日当たりが悪そうな土地だとしても、 設計次第で明るくて開放的な家をつくることも出来れば、 たとえ形が悪い土地だとしても、 土地に合わせて設計さえ出来れば とっても住みやすい家をつくることも出来るということです。

つまり、建築会社の視点としては、 家の良し悪しは土地の良し悪しに左右されないので、 土地の選択肢を無闇に狭める必要はないということです。
なので、土地を選ぶ時は、 必ず建築屋さんに土地を見てもらい、 土地の良し悪しをアドバイスしてもらってください。 これが予算に支障を生じさせない最良の方法です。

✔︎予期せぬ費用が発生するリスクがある!?

続いて起こりがちなことが、 『そんなの聞いてなかったよ・・・』的な 予期せぬ出来事が発生してしまうことです。

例えば、土地の値段が安かったとしても 境界が不明解な場合、 境界確定をしないといけないのですが、 契約上その費用負担を あなたがしなければいけないとしたら、 予期せぬ出費に頭を悩ませることになるかもしれません。 あるいは、水道が引き込まれておらず、 その工事費用が別で必要だと分かっていたとしても、 前の道路にも水道がなかった場合、 途方もない費用が発生してしまい、 予期せぬ出費に頭を悩ませることになるかもしれません。

あるいは、土地が低いため土地を高くしたいと思っていても、 現状の土地の高さより30cmを超えて土を盛ろうとしたら、 開発許可申請が必要になるし、 それを超えてもっと高くしようとすれば、 土がはみ出ないようにするために 擁壁をたくさんつくらざるを得なくなりさらなる出費を生むし、 それに加えて盛り土費用まで発生するので、 ウン百万単位の費用が発生することになってしまうかもしれません。

なので、そんな事態を招かないためにも 先に建築会社を決定しておくことをオススメしています。
理由は、任せてくれるかどうか分からない状態では、 建築会社もこういった土地に関しての 細かい調査をしてくれる専門業者さんに 仕事(調査)を依頼しにくいからです。

建築を任せてくれることが決定していれば、 きっと具体的なプランに入る前に綿密に土地について調査し、 その費用も考慮した上で建築予算を導き出してくれるでしょうし、 その予算に合わせた聞き取りやプラン提案をしてくれるはずです。

とにかく、家づくりで大事な予算で失敗しないためにも、 土地と建物を分離して考えないこと、 そして、建築会社に土地を見てもらっていない状態で、 土地を決定しないようにしていただけたらと思います。

内容が気になった方や具体的にお話しを聞きたい方は下記よりお問合せできます。
https://sn.d-owariya.co.jp/#contact

108.鍵を握るのはバランス感覚

「土地は南向きでいい形にしたほうが良い」 「家は2階建てにして出来るだけ広くしたほうが良い」 これらの考え方は、 多くの方の家づくりのベースとなっているのですが、 この2つを採用すると、 家づくりにかかる総コストが確実に高くなります。

土地と家にかかるコストが いずれも割高になってしまうからです。
ゆえ、個人的には この2つとは真逆の道を行く家づくりを、 出来るだけ予算を抑えながら 家を建てる方法を推奨しています。

✔︎必要かどうかを再考してみる

年々、共働き世帯の数は増えていっていますが、 その結果、奥さんは家事と育児と仕事に追われ、 ホッと一息つく間もないぐらい 忙しい日々を過ごしているのではないでしょうか。
ゆえ、現在は家事負担が減るような 家づくりが主流となっているし、 リビングダイニングキッチンが仕切りなく一つの空間となり、 かつ対面キッチンになっているのも、 実は忙しい女性にとって優しいつくりなんですよね。
例えば、キッチンがダイニングやリビングの方に 向かっているということは、 ダイニングで勉強する子供の様子を見ながら、 食事の準備や後片付けが出来るということですよね。
また、リビングで遊ぶ子供の様子を見ながら、 食事の準備や後片付けも出来ますよね。
さらに、広々としたリビングで勉強をしたり、 遊んでいる子供たちの様子を見ながら、 取り込んだ洗濯物をたたむことだって出来ますよね。

つまり、現在では すっかりスタンダードとなっている対面キッチンは、 忙しい現代人にとって「ながら作業」が出来る ベストな形というわけですね。
そして、そう考えると、 わざわざ洗濯物をたたんだり アイロンがけをするためだけにつくる「家事室」なんかは、 別段つくる必要もなさそうな気がしませんか?

たとえ、わずか3帖という広さだとしても 100万円前後のコストがかかってくるわけですからね。
また、客間(和室)なんかも 本当に必要かどうか考えるべきではないでしょうか。

というのも、そもそもその部屋は、 使っていない時間の方が 圧倒的に多い可能性が高いからです。
仮に親御さんが泊まることがあるとしても、 おそらくその回数は、 せいぜい年に1〜2回程度でしょうしね。
かつ、その時もわざわざ客間で寝なくても、 リビングに布団を敷いて寝るか、 おそらく寝室として使っていないであろう子供部屋に 布団を敷いて寝てもらえばいいだけですしね。

というわけで、 ざっと大体200万円ほどかかるこの部屋も 本当に必要なのかどうかを再考していただくと いいんじゃないかと思っている次第です。

✔︎最大と最小のどちらも考える

仮にあなたが子育て真最中だとしたら 家族の人数が最大か、最大になろうとしている タイミングで家を建てている状態です。
かつ、現在の暮らしが賃貸アパートだとしたら リアルタイムで部屋と収納の少なさに 苦しめられている状態だと思います。
ゆえ、保険的な意味合いも込めて 少しでも広い家を建てたいとお考えになるでしょう。

しかし、やがて子供たちは家を出て行き、 いつかは夫婦だけでそこで暮らすことになります。
つまり、やがて部屋は確実に余るということです。
なので、最大の時ことだけを考えて 家づくりを計画するのではなく、 いつか訪れる最小になる時のことも同時に考えながら、 家づくりを計画してもらえたらと思います。

家の価格も含めて物価が上昇しつつある現在は、 こういった合理的な考え方を持っていただくことが なおのこと大事なのではないでしょうか。

内容が気になった方や具体的にお話しを聞きたい方は下記よりお問合せできます。
https://sn.d-owariya.co.jp/#contact

107.変動型ローンの2つの条件

ここ最近お会いさせていただく方の多くが、 iDeCoつみたてNISAに加入していたり、 あるいは加入のために 情報を集めていたりするのですが、 これから家づくりをする方は、 例外なく、この2つに加入することを 前向きに検討すべきだと思います。
そして、その原資がつくれるよう 家計の収支を見直すべきなのですが、 もちろん、住宅ローンの返済額を どれくらいにするのかも 建てる前によく考えておくべきことの1つです。

つまり、住宅ローンの負担が 大きくなることによって家計が圧迫され、 iDeCoやつみたてNISAが出来なくなってしまわないよう、 家にかける予算は考えるべきだということですね。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

また、家の予算をよく考えるとともに、 家づくりのお金のことに関して もう1つ大切なことが、 住宅ローン商品を変動型と固定型の どちらにするのかということです。

この2つのどっちが良いのかは 終わってみないと分からないので、 絶対にこっちにした方がいいとは 言い切れないんですが、 個人的には、現在の金利水準からして、 固定にしておいた方が良いんじゃないか とは思っているんですけどね。

理由は、現在の世界情勢を見る限り、 金融緩和姿勢を貫く日銀も 利上げを実行せざるを得ない可能性が どんどん高くなっているような気がするからです。
とはいえ、固定を選ぶより変動を選んだ方が、 金利も安く返済金額を抑えることが出来るのも事実なので、 今回は、固定よりもやっぱ変動かなーと思っている方に、 その場合に考えておくべきことについて お伝えしていきたいと思います。

✔︎変動金利のリスク

変動金利のリスクは、 金利が景気に連動して変わることです。
それゆえ、もし金利が上昇してもあたふたしないように、 計画的に貯金をしていかないといけません。 また、それと同時に、 当初の固定期間が終わる時に金利の交渉をするか、 あるいは借り換えすることを、 視野に入れておかないといけないのですが、 仮にあなたが、借り換えをすることを 前提として考えているとしたら、 以下のことに注意しておくべきです。


健康状態を維持すること
住宅ローンを借りる時には、 団体信用生命保険に 加入しなければならないのですが、 となると、健康でいることが 借り換えの前提条件となります。
なので、適度に運動することと、 日頃から食事や生活習慣に 気をつけておくことが大事だし、 病気の傾向は血筋も関わってくるかもしれないので、 主債務者となる方の身内の病気の傾向も頭に入れた上で、 住宅ローン選びをしていただくことも大切かと思います。

常にスキルアップしていくこと
住宅ローンは、長期で組むのが当たり前となっていますが、 あなたの職場やあなたの仕事が、 ローンの返済期間中ずっと存在するという 保証はあるでしょうか?
また、途中で業績が悪くなり、 給料が減額されたり、ボーナスがなくなったり、 最悪クビになる可能性だって 全くないとは言い切れないと思います。

なので、職場に依存せず 何が起こってもいいように、 常にスキルアップしていくことも大切です。 借り換えするとしたら、 再び銀行に審査されることになるので、 それなりの収入がないと話になりませんからね。
また、出来るだけ長い間 働き続けられるようにするためには、 かつ、高いパフォーマンスで 働き続けられるようにするためには、 やはり健康でいることが大切になります。

そんなこんなで、この話は、 変動型を選ぼうと思っている方に 限った話ではないのですが、 特に変動型を選ぼうと思っている方は、 健康でいることと常にスキルアップすること、 この2つに関して、 より高い意識を持つようにしてもらえたらと思います。

そして再び話は元に戻りますが、 そもそも論として、 家づくりは絶対に無理のない予算でしてくださいね。
無理をして家を建てても不動産屋や住宅会社が これからのあなたの暮らしに 責任を持ってくれるわけじゃないですからね。
結局、全て自己責任なので、 自分に合った予算設定と 自分に合ったローン選びをしてください。
他人の言動に振り回されないよう雑音を気にせず、 あくまで自分に合った家づくりをすることに 集中してくださいね。

内容が気になった方や具体的にお話しを聞きたい方は下記よりお問合せできます。
https://sn.d-owariya.co.jp/#contact

106.家と土地と固定概念と

家はたとえ同じ面積でも 形によって価格が異なります。
また、縦横のバランスによっても価格が異なります。

例えば、工事面積が120㎡の平屋を建てる場合でも、 縦12m×横10mの家と 縦15m×横8mの家と 縦20m×横6mの家とでは、 壁の施工面積が異なることから、 建築コストも違ってきます。
縦12mの場合、外周の長さは44mですが、 縦が15mになると外周の長さは46mになり、 縦が20mになると外周の長さは52mになるからです。
つまり、縦横の比率が崩れるほど 家のコストは高くなるというわけですね。

おはようございます。SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

ゆえ、建築コストを抑えるためには、 縦横の比率を限りなく同じに出来る 土地を選べばいいのですが、 では、仮にあなたが建てたい家が、 12m×10mの平屋だとしたら、 一体どんな土地を選べばいいのでしょうか?

✔︎必要な土地の広さの求め方

この場合、 間口が10mの家を建てるとしたら、 車置き場に奥行き約5.5m、 それ以外の建物の周囲に それぞれ通路として1m確保したとして、
間口12m(通路1m+家10m+通路1m)
奥行き18.5m(通路1m+家12m+車5.5m)
が必要となります。
つまり12m×18.5m=222㎡ (約67坪)の土地が必要だということですね。

また、建物の間口を12mにした場合、 土地の間口が14mで奥行きが16.5mとなり、 231㎡(約70坪)の土地が必要だということになります。
なので、あなたが120㎡の平屋を 建てたいとお考えだとしたら、 67〜70坪あたりの広さで土地を探せば、 なんの問題もなく建てられるということになります。

✔︎土地の向きはどの方向がいいのか?

では、土地の向きは一体どれがいいのでしょうか? 南向きがいいのか? あるいはそれ以外でもいいのか?という話です。
先程、土地の面積を試算した時に、 車を置くところ以外の方向は全て ほぼ敷地いっぱいに配置しました。
となると、車を置く方向が南であれば、 問題なく家の中に光を採り込めそうですが、 それ以外の方向の場合、 隣接して家が建っているとしたら、 家が暗くなってしまいそうな気がしますよね?
それゆえ、みんな安定した日当たりを求めて 南向きの土地を選ぼうとします。

ですが、南向きの土地で、 南面に採光のための大きな窓をつけてしまったら、 一体どうなるでしょうか?
家の中が丸見えになってしまうので、 確実にカーテンが開けられない家になってしまいます。
結果、家の中は場所によって明るさにムラが出来るし、 南向きであるにもかかわらず、 朝から照明なしでは過ごせなくなってしまいます。
でも、南以外の方向を選んだ場合、 そもそも南の窓から光を採り込めなさそうなので、 そうなるよりはマシだと感じる方も少なくないと思います。

✔︎採光のカギは南の建物との距離

南向きの土地以外で 先程お伝えした平屋を建てる場合、 リビングを南に配置してしまうと、 確実に家の中に光が入ってこなくなります。
ゆえ、この考え方で平屋を建てる場合、 リビングにたっぷりと光を入れるためには、 近隣の建物から十分離れたところに リビングを配置するという手段を取ります。
中庭を設けながら。 この手段を取ることが出来れば、 土地の日当たりにこだわる必要がなくなり、 土地選びの自由度が格段に増します。

かつ、土地価格をグンと抑えることが出来ます。 日当たりが悪そうな土地は そもそも価格が安めに設定されているし、 価格交渉もしやすくなるからです。
なので、こういった家の建て方があることも ぜひ知っておいてもらえたらと思います。
これが、土地と建物と外構にかかるコストを 最大限に抑えながら 平屋を建てる最良の手段ではないでしょうか。

内容が気になった方や具体的にお話しを聞きたい方は下記よりお問合せできます。
https://sn.d-owariya.co.jp/#contact