106.家と土地と固定概念と

家はたとえ同じ面積でも 形によって価格が異なります。
また、縦横のバランスによっても価格が異なります。

例えば、工事面積が120㎡の平屋を建てる場合でも、 縦12m×横10mの家と 縦15m×横8mの家と 縦20m×横6mの家とでは、 壁の施工面積が異なることから、 建築コストも違ってきます。
縦12mの場合、外周の長さは44mですが、 縦が15mになると外周の長さは46mになり、 縦が20mになると外周の長さは52mになるからです。
つまり、縦横の比率が崩れるほど 家のコストは高くなるというわけですね。

おはようございます。SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

ゆえ、建築コストを抑えるためには、 縦横の比率を限りなく同じに出来る 土地を選べばいいのですが、 では、仮にあなたが建てたい家が、 12m×10mの平屋だとしたら、 一体どんな土地を選べばいいのでしょうか?

✔︎必要な土地の広さの求め方

この場合、 間口が10mの家を建てるとしたら、 車置き場に奥行き約5.5m、 それ以外の建物の周囲に それぞれ通路として1m確保したとして、
間口12m(通路1m+家10m+通路1m)
奥行き18.5m(通路1m+家12m+車5.5m)
が必要となります。
つまり12m×18.5m=222㎡ (約67坪)の土地が必要だということですね。

また、建物の間口を12mにした場合、 土地の間口が14mで奥行きが16.5mとなり、 231㎡(約70坪)の土地が必要だということになります。
なので、あなたが120㎡の平屋を 建てたいとお考えだとしたら、 67〜70坪あたりの広さで土地を探せば、 なんの問題もなく建てられるということになります。

✔︎土地の向きはどの方向がいいのか?

では、土地の向きは一体どれがいいのでしょうか? 南向きがいいのか? あるいはそれ以外でもいいのか?という話です。
先程、土地の面積を試算した時に、 車を置くところ以外の方向は全て ほぼ敷地いっぱいに配置しました。
となると、車を置く方向が南であれば、 問題なく家の中に光を採り込めそうですが、 それ以外の方向の場合、 隣接して家が建っているとしたら、 家が暗くなってしまいそうな気がしますよね?
それゆえ、みんな安定した日当たりを求めて 南向きの土地を選ぼうとします。

ですが、南向きの土地で、 南面に採光のための大きな窓をつけてしまったら、 一体どうなるでしょうか?
家の中が丸見えになってしまうので、 確実にカーテンが開けられない家になってしまいます。
結果、家の中は場所によって明るさにムラが出来るし、 南向きであるにもかかわらず、 朝から照明なしでは過ごせなくなってしまいます。
でも、南以外の方向を選んだ場合、 そもそも南の窓から光を採り込めなさそうなので、 そうなるよりはマシだと感じる方も少なくないと思います。

✔︎採光のカギは南の建物との距離

南向きの土地以外で 先程お伝えした平屋を建てる場合、 リビングを南に配置してしまうと、 確実に家の中に光が入ってこなくなります。
ゆえ、この考え方で平屋を建てる場合、 リビングにたっぷりと光を入れるためには、 近隣の建物から十分離れたところに リビングを配置するという手段を取ります。
中庭を設けながら。 この手段を取ることが出来れば、 土地の日当たりにこだわる必要がなくなり、 土地選びの自由度が格段に増します。

かつ、土地価格をグンと抑えることが出来ます。 日当たりが悪そうな土地は そもそも価格が安めに設定されているし、 価格交渉もしやすくなるからです。
なので、こういった家の建て方があることも ぜひ知っておいてもらえたらと思います。
これが、土地と建物と外構にかかるコストを 最大限に抑えながら 平屋を建てる最良の手段ではないでしょうか。

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