18.東向きの土地のメリットとデメリット

一般的には、南向きの土地が一番良いと言われていますが、この南向きの土地にもデメリットは存在します。

また、逆に南向き以外の土地は、デメリットが強調されがちですが、北、東、西、それぞれに、その土地ならでは、のメリットも存在します。

おはようございます。
simple note 半田スタジオ サカキバラです。

では今回からは、東・西・南・北それぞれの土地のメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。

✔︎東向きの土地について

東向きの土地の場合、まず『朝日が入りやすい』というメリットがあると考えられていますが、このメリットをそのまま取り入れるために、東側に大きな窓をつくってしまったら、

家の中が外から丸見えになってしまいます・・・

そして、それを防ぐためにカーテンをつけざるを得ないし、さらに、そのカーテンを常時閉めておかないといけません

結果、カーテンのせいで、家の中が薄暗くなってしまい日中ずっと照明をつけておかないといけません・・・

また、台風の時に備えてその窓にシャッターまで設置するとなれば、その分コストがかさむだけじゃなく、家の景観までも乱してしまうことになりますが、高いお金を出して建てたお家なので、せめて家の正面ぐらいは美しくしておきたいと思いませんか?

次に、東側接道の土地は、『居住スペースを全て南向きに出来る』というメリットがあると考えられていますが、これは、玄関を南に配置する必要がないからです。

しかし、ここで考えていただきたいことは、“そもそも居住スペースを全て南に配置する必要があるかどうか?”ということです。
全ての部屋を南に配置した場合、2階はまだしも、1階の南の窓から見える景色は、南に建っている家の裏側となります。

つまり、給湯器やエアコンの室外機置き場、また、ゴミ置き場となっているであろうゴチャゴチャした汚い場所を眺めて過ごすことになるというわけです。

あるいは、それを避けるために、リビングの窓のカーテンを常時閉めておくか、余分なコストをかけ、目隠しや植栽などをつくり汚い景色を防がざるを得なくなるというわけです。

また、東向きの土地の場合、隣家が近くに建っているにもかかわらず一番南にリビングを配置すれば、リビングには光が入ってきにくくなります
そして、そうなれば、冬に寒くなりやすく、結果光熱費も高くなってしまいます

いかがですか?

周囲の環境のことを考慮して間取りをつくらないと、本来メリットと考えられているようなことでさえも、逆にデメリットになってしまうということが、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

それゆえ、このようなデメリットが生じないよう間取りを考えていかなければいけません。

✔︎そもそも、全室南向きである必要はあるのか?

多くの方が、居住スペースを出来るだけ南に配置しようとしますが、果たしてその必要はあるのでしょうか?

例えば、寝室はどうでしょうか?
あなたは一体何時から何時までこの部屋を使っているのでしょうか?
そして、寝ている時間以外、この部屋で過ごすことはあるのでしょうか?
また、子供部屋に関しても、南向きの部屋である必要があるのでしょうか?
子供部屋を子供部屋として使用する期間は果たして一体どれくらいあるのでしょうか?
そして、子供たちが家を出て行った後は、その部屋をどのようにお使いになるのでしょうか?

これらの部屋は、明るくあるべきではあるもののそのために必ずしも南向きにする必要はないとは思いませんか?

このように部屋の向きを、必ずしも南向きにしなくてよくなれば、ずいぶんと間取りに自由度が出るし、敷地をより有効活用出来るようになり、結果的に、先程挙げた幾つかのデメリットをすべて解消しやすくなります。

ということで、東向きの土地で家を建てる予定の方は、東向きの土地のメリットだけじゃなく、デメリットもよく理解し、出来上がった間取りがその土地で考えられるデメリットを解消出来るかどうかを頭の中でシュミレーションしながら設計図とにらめっこしていただければと思います。

それでは、、、

SNSでもご購読できます。