2024年 2月 の投稿一覧

144.一戸建ての修繕積立金

分譲マンションを買った場合、 住宅ローンの返済とは別に、 共有スペースの維持管理費用として 「管理費」が必要になるのと、 やがて必要となる外壁の修繕や エレベーターの故障などに備えて 「修繕積立金」が必要になります。 (駐車場代も別にかかります)
ゆえ、分譲マンションの購入時には、 単純にマンションの価格だけを 見ればいいわけではなく、 これら別途費用のことも考慮した上で 検討しなければいけません。

一方で、一戸建てを買う場合は、 そもそも管理費も必要なければ、 駐車場代も必要ないし、 修繕費用の積立も 分譲マンションのように 義務化されているわけではありません。
ゆえ、ついつい修繕費用についての見立てが甘くなり、 その分、家に予算を突っ込んでしまいがちなのですが、 これでは間違いなく将来困ることになるので、 建てる前にこれらの費用についてもある程度試算し、 コツコツと積み立てていく必要があります。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

では今回は、 それらにどれくらいかかるのかと、 どれくらい積み立てしていった方がいいのか についてお伝えしていきたいと思います。

✔︎60年住むことを前提として試算

家を建てる年齢も、 いつまで生きるのかも人によって違うので、 取り急ぎ35歳で家を建て95歳まで生きる という前提のもとで考えていってみましょう! まず必要となるのが 外壁や屋根などの外部塗装費用です。

では、これが約15年に1回のペースで 必要になるとして、 毎回その費用に150万円かかるとしたら、 生涯で3回ほどこの費用が必要となります。
つまり150万円×3回=450万円ですね。 また、30年〜35年後には、 キッチン・お風呂・洗面・トイレなどの 水周りもリニューアルすることになるでしょう。

それゆえ、これらのリフォーム費用も 計上しておかないといけないのですが、 おそらく、このタイミングで 床や壁などもリフォームすると思うので これらには360万円ぐらい予算を取っておきましょう。
さらに、忘れてはいけないのが家電にかかるお金です。
電化製品は基本10年ごとに故障すると言われているし、 製品のクオリティもどんどん進化していくでしょうしね。
なので、これらについても拾い出しておく必要があります。

まずはエアコンですね。
子供たちが2人居るとして考えてみましょう。
この場合、リビングと部屋を合わせると 合計4台のエアコンが必要ですが、 リビングと寝室はずっと部屋を使い続けるので、 5回買い換えが必要ですね。 一方で子供たちは途中で家を出て行くので、 おそらく1回しか買い替える必要がない 可能性が高いのではないでしょうか。

となると、今後エアコンにかかるトータル費用は、 リビング用の価格を取付費も合わせて20万円、 それ以外の費用を10万円ずつと考えると、 20万円×5回+10万円×5回+10万円×2台×1回 =170万円ということになります。

では、続いては冷蔵庫と洗濯機です。
これらは、思っているより高いし、 間違いなくこれから先もずっと必要なモノなので、 しっかりと予算に組み込んでおくべきですね。
ということで、 冷蔵庫が25万円で洗濯機が15万円だとして、 (ドラム式 or 縦型+乾燥機の価格です) 10年ごとに買い換えるとしたら、 これらには合計で200万円ほど必要ですね。

このほか、テレビやパソコン、 レンジや掃除機、ジャーなどなど 細々した家電製品もありますが、 これらを合わせた分にも 10年ごとに20万円ぐらいかかるとして、 合計100万円の予算をみておきましょう。
いわゆる、これら全てを合わせた金額が、 生涯メンテナンス費用としてかかる というわけですね。 足してみると1280万円です。

では、これらのお金は 今後60年の間で必要となるお金ですが、 出来れば働けるうちに このお金を貯めておきたいですよね。
歳をとり収入が減ったり、 あるいは、なくなった状態で、 大きなお金がまとまって出て行くのは、 精神的にもかなりキツイですからね。
となると、かなり高い確率で 健康で働くことが出来るであろう これから30年の間で、 これらのお金を貯めていかなければいけません。

つまり、1280万円÷30年=42.6666666万円 月に換算すると約3.5万円ずつは修繕費用として、 お金を置いていった方がいいということですね。
思っているより、 だいぶ多くお金がかかるでしょ?
そんなこんなで、 この積立資金のことも考えた上で、 毎月の返済金額を決めるべきだ というわけですね。

✔︎間取りづくりの重要性

そして最後に、 もう1つ大切な考え方について お話したいと思います。
それは、将来増築しなければ いけないような間取りづくりを 絶対にしてはいけないということです。 将来、水回りも含めたリフォームの時、 増築までしなくてはいけないとなると、 さらに300万円〜500万円ほど 余分な出費が必要となるからです。
つまり、さらに毎月1万円以上の お金を積み立てしていかないといけないか、 あるいは、大切な老後資金から そのお金を捻出しなければいけなくなる というわけです。
ということで、 間取りもお金も将来のことまで見据えた上で 計画していただけたらと思います。

143.中庭がある平屋の現実

「平屋にしただけでも 家が高くなると思うんですけど、 その上さらに中庭をつくるとなると、 外壁の面積が広がってしまって もっと高くなるんじゃないですか?」 時々、このようなご質問をいただくことがありますが、 この質問は、なかなか的を射ているとってもいい質問です。
つまり、この質問に対する答えは基本的には「YES」であり、 そうなってしまうがゆえに、 平屋や中庭の提案が出来ない住宅会社もあるのではないでしょうか。 (そもそもその発想さえない会社の方が圧倒的に多いと思いますが)

しかし、中庭をつくることによってカット出来るモノもあれば、 平屋にすることによってカット出来るモノもあり、 その2つを上手く組み合わせることさえ出来れば、 コストを上げることなく「中庭がある平屋」を建てることが出来るので、 今回は、このことについてお伝えしていきたいと思います。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

では、まずは「中庭」をつくることによって カット出来るモノについてからです。

✔︎そもそも中庭をつくる理由

弊社が建てる家になぜ中庭が多いのかと言うと、 本当に居心地のいい空間をつくるためには、 採光の確保とプライバシーの担保を 両立させる必要があるからです。
例えば、多くの家が 周囲に向かって大きな窓をたくさんつくっていますが、 そこからは光と共に視線も入ってきます。
となると、カーテンなしでは とっても居心地の悪い家になってしまいますよね? いつも誰かに見られながら暮らすことになるからです。
そして、ほとんどの窓にカーテンを設置するわけですが、 となると、当然光まで遮ってしまうことになりますよね? レースだけじゃあ中は丸見え同然ですからね。
一方で、中庭をつくると 中庭につくった窓は、 外からの視線を全く気にする必要がありません。
見えるのは自分の家の中のどこかの部屋か 自分の家の外壁のどちらかですからね。
それゆえ、その窓には視線を遮るために カーテンをつける必要がなくなります。 (方位によっては陽射しを調整するために必要となりますが)

また、カーテンいらずの中庭の窓は、 日中ずっと安定的に光を届けてくれることから 家の外周部に大きな窓を設置する必要がなくなるし、 窓の数をやみくもに増やさずとも、 充分家の中を明るくすることが出来ます。
以上のような理由から「中庭」には、 窓にかかるコストをカット出来るという効果と、 カーテンにかかるコストをカット出来るという 2つの効果があるというわけですね。
では、続いて平屋にすることによって カット出来るモノですね。

✔︎圧倒的な住みやすさが平屋の特徴

平屋には、あなたが想像している以上に 多くのメリットが存在するのですが、 そのうちの一つが「圧倒的な住みやすさ」です。
アパート暮らしの方なら 共感いただけると思いますが、 これまでと同様にワンフロアのまま 部屋や収納が増えるわけですからね。
例えば、2階建ての場合、 子供部屋を2階につくる方が圧倒的に多いと思いますが、 実はこれがリビングを汚す最大の理由となります。

だって、小さな子供たちは 親と離れた場所に居たがらないし、 いちいち2階まで自分のモノを 持っていくわけありませんからね。
なので、このような家には 1階に和室をつくっている場合が多いんですが、 仮に子供部屋を1階につくることが出来れば、 この部屋をつくる必要なんてないような気がしません? となると、この部屋分 丸々家を小さくすることが出来るので、 その分、建築コストを縮めることが出来ますよね?

平屋だと階段だって必要ないし、 トイレも1つ減らすことが出来ますしね。
この他、設計のやり方によっては ただ通るだけの廊下も省くことも出来るし、 それぞれの部屋(寝室・子供部屋)の広さも、 寝るだけだと考えると、 最小限にしてもなんら支障もないですしね。
そんなこんなで「中庭がある平屋の家」を こなれた価格で建てることが出来るというわけですね。
ただし、後者の家をコンパクトにするというアイデアには、 あなたの理解が必要不可欠となりますけどね。
部屋の数や広さ、配置を指定されたり、 坪数や坪単価にこだわられると とてもじゃないけど実現出来ませんからね。

ということで、 上記のような価値観にこだわらず 居心地が良くて住みやすく、 おまけにオシャレなデザインの家を こなれた価格で建てたいなーとお考えの方は、 ぜひこのアイデアを参考にしていただければと思います。