150.単独名義と共有名義

家を建てるにあたって、 名義は単独の方がいいのか? それとも夫婦共有にすべきなのか? で悩まれている方もいらっしゃると思います。
個人的には、基本 単独名義をオススメしているのですが、 事情によっては共有名義に せざるを得ない場合があるのと、 共有名義にした方がいい場合があるので、 今回は、この2つの場合について お伝えしていきたいと思います。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

では、まずは 共有名義にせざるを得ない場合 からお伝えしていきますね。

✔︎収入合算が必要な人

仮に、あなたが家を建てるにあたって 銀行から3000万円を借りたいとしても、 あなたのご主人の年収が400万円以内では、 基本、銀行から満額借りることが出来ません。
銀行が貸してくれる限度額は、 年収の5〜6倍程度だからです。 (常識的に考えると、 この範囲を超えてお金を借りるのは、 ローン破綻の可能性を高めるだけです)

それゆえ、この場合、 奥さんが働いているとしたら、 奥さんの収入も合算して ローンを申し込まざるを得なくなります。 結果、奥さんも名義人になるというわけですね。 (名義を入れなくていい場合もありますが、 住宅ローン控除のコトも考えると 名義人になった方がいいので詳しくは後ほど。)

では、続いて 共有にした方がいい場合について お伝えしていきますね。

✔︎住宅ローン控除を最大に使い切る

例えば、 住宅ローン控除の対象となる金額が3500万円で、 ご主人の年収が400万円、 奥さんの年収が200万円だとしたら、 ご主人の持分を3分の2、奥さんの持分を3分の1、 にすると、住宅ローン控除の枠を いっぱいまで使い切ることが出来ます。
では、ご主人の所得税を8万円、 住民税を16万円、 奥さんの所得税を4万円、 住民税を8万円と仮定して、 簡単に計算していってみましょう。

1年目の年末の借入残高を 3430万円とし、毎年70万円ずつ 借入が減っていくと仮定すると、 このご夫婦が受けられるローン控除額は、
1年目:24.01万円
2年目:23.52万円
3年目:23.03万円
4年目:22.54万円
5年目:22.05万円
6年目:21.56万円
7年目:21.07万円
8年目:20.58万円
9年目:20.09万円
10年目:19.6万円
11年目:19.11万円
12年目:18.62万円
13年目:18.13万円
となるのですが、 仮にご主人の単独名義で借入をしてしまった場合、 この恩恵を上限いっぱいに受けることが出来ません。
今後13年間、 ご主人の給料が変わらないとしたら、 ご主人が受けられる控除のマックスは 所得税8万円+住民税13.65万円を 合わせた計21.65万円だからです。 (住民税は控除の上限は13.65万円です)
つまり、13年のうち、 最初の5年間は控除枠を使い切れていない というわけですね。

一方で、ご主人の名義を3分の2にし、 奥さんの名義を3分の1入れてみると、 1年目から上限いっぱいまで 使えることになります。
以下、1年目の計算式です。
1年目の借入残高の0.7%=24.01万円
(↓控除可能な所得税と住民税の合計額↓)
ご主人:24.01万円×3分の2=約16万円
奥さん:24.01万円×3分の1=約8万円
(↓返してもらえるお金の上限↓)
ご主人:8万円+13.65万円=21.65万円
奥さん:3万円+6万円=9万円 そんなこんなで、共有名義にし、 持分比率さえ間違えなければ、 住宅ローン控除の恩恵を最大まで 引き出すことが出来るというわけですね。

✔︎予算設定の基本
この2つに該当する場合は、 夫婦で住宅ローンを申し込むことになるのですが、 忘れてはいけないのが、 自分たちの収入とバランスが取れないような借入は 絶対にしてはいけないということです。

ここで、この話をすると長くなるので 今回は割愛しますが、 これからの暮らしのことを考えると、 銀行から借りてもいい額は、 年収をベースで考えるとしたら、 ご主人の年収の6倍までに とどめておくべきだと思います。
400万円としたら2400万円だし、 500万円だとしたら3000万円だし、 600万円だとしたら3600万円ですね。
これを超えて借り入れするのは、 これからの不確実で不安定な社会の中では、 かなり危険だと思っています。
なので、出来れば 収入合算しなくていい範囲で、 家づくりをしてもらえたらと思います。
建築コストが上がってしまった現在、 これは難しい話かもしれませんが、 出来るだけこれを心がけながら 資金計画してもらってくださいね。

SNSでもご購読できます。