住宅ローンの支払利息は、 返済期間が長くなるほど大きくなっていきます。
例えば、3000万円を銀行から1%の金利で、 全期間固定で借り入れする場合、 35年返済にすれば、 毎月の返済金額は84,685円となり、 総返済額は35,567,804円となります。 (84,685円×420回払い) 一方で、30年返済にしてみると、 毎月の返済は96,491円と 先程より11,806円上がるものの、 総返済額は34,736,908円となり、 先程より830,896円減ります。
そんなこんなで、 そもそも返済が可能だとしたら 35年返済でローンを組むよりも 30年返済で組んだ方がいいんじゃないかと 普通は思ってしまうのですが、 実はそうでもないので、 今回はその理由について お伝えしていきたいと思います。
おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。
では、分かりやすく数字でお伝えしていくので、 面倒くさがらずについてきてくださいね!
とっても大事なお金の話ですから。
✔︎11,806円の使い方
先程35年返済と30年返済では、 毎月の差が11,806円あるとお伝えしましたが、 このお金の運用方法によって、 30年選ぶべきなのか35年を選ぶべきなのかが 違ってきます。
・銀行に定期預金をする人
「貯金=銀行」という選択肢しかない人は、 出来るだけ返済を短くすべきです。
理由は、銀行の預金金利より 住宅ローン金利の方が高いからだし、 銀行にお金を預けていても全くお金は増えないからです。
では、銀行の定期預金金利は0.002%なので、 それでどれくらいお金が増えるのか 簡単に試算してみますね。 (年間貯金) 11,806円×12ヶ月=141,672円 (年間利息) 141,672円×0.00002=約2.8円
かつ、ここから税金が約20%引かれるので、 2.8円×0.8=約2.3円 ねっ?
金利が低くてお金が増えないことを 知っている人は多くても、 さすがにここまで酷いとは 思ってなかったでしょ?
なので、無難に銀行にお金を預ける という選択肢しかないぐらいだったら、 返済期間を短くして 金利を圧縮した方がいいというわけです。
・積立投資を始めたいと思っている人
こう思っている人は、 返済期間を35年に設定し、 投資資金を捻出することをオススメします。
では、仮に先程の11,806円を 35年間ずっと毎月(毎日)積み立てていき 年平均2%ずつお金が増えていくとしたら、 いったいどうなるのでしょうか?
(1年目) 11,806円×12ヶ月×1.02=144,505円 (2年目) (144,505円+11,806円×12ヶ月) ×1.02=291,900円 (3年目・・・) という風に計算していってみると、 35年後には預けたお金が、 2倍近くまで膨れ上がることになります。
つまり35年間の総投資額の 11,806円×12ヶ月×35年=4,958,520円が 約992万円になっているということです。
もちろん、この場合も増えた分には、 約20%税金を取られるので、 これも考慮すると増えたお金は ざっと396万円ぐらいですけどね。
そんなこんなで、 個人的には無理に返済を短くするよりも、 余力をつくり、その資金を 積立投資に回した方がいいと 思っているというわけです。
人生100年時代になると考えると、 老後生活がそんなに長くなっても 毎日退屈でしょうから、 私たちの世代は35年後も当たり前のように 仕事をしてそうですしね。
住宅ローンにはもしもの時に備えて、 掛け捨ての生命保険だって含まれていますしね。
ということで、 家づくりをする時には、 積立投資をする余力を残した上で、 返済額を決めてもらえたらと思います。
もちろん、先のことなんて誰も分からないし、 積立投資には多少なりともリスクはつきものです。 しかし、今は「iDeCo」や「つみたてNISA」といった 税金を優遇する制度もあり、 これらを利用しないなんてことは メチャクチャもったいないことです。
なので、こういったお金のことも勉強した上で、 住宅ローンの商品選びや返済額や返済期間の設定を してもらえたらと思います。