97.正しい図面の見方

「家族が増えて手狭になった・・」 「今の状態では部屋が足りない・・」 「収納からモノがはみ出している・・」 多くの方にとってこれらは 家を建てるきっかけとなる大きな理由だし、 さらに家族の人数が増える可能性があるとしたら、 現在の暮らしみたいにならないように 少しでも家を広くつくろうとしてしまいます。
しかし、家の価格は面積に大きく左右されるため、 そうすれば家の価格が高くなってしまい、 ローンにその負担がのしかかってくることになります。

おはようございます。
SIMPLENOTE半田スタジオサイトウです。

それゆえ、 家の予算を合理的に落とす方法、 つまり家を出来るだけコンパクトにする方法を 建てる前に知っておかないといけません。
もちろん、何でもかんでも 削ったらいいわけではないので、 いるモノはしっかりつくり、 逆にいらないモノだけを省くことによってです。
例えば、廊下をなくすとか、 使用頻度が少なそうな部屋をつくらないとか、 部屋の広さを必要最小限にする、 といった工夫ですね。

✔︎収納も例外ではない!?

そしてこの見直しは、 収納すら決して例外ではありません。
収納をたくさんつくれば、 それだけで収納不足が解消されるわけじゃないし、 床面積が増えれば、 ただただコストアップにつながるだけですからね。


この3つの図は全て 2帖という広さでつくった納戸ですが、 ご覧いただければ分かるように、 棚のつくり方やドアの位置によって 収納出来る分量が大きく異なります。

では1つ1つ説明していきますね。
まずAの収納ですが、 1方向だけしか棚をつくっていないため、 幅1.69mの棚板を 何枚つけるのかによって、 収納量が違ってきます。
仮に棚板が2枚であれば 使える段数は3段になるので、 1.69m×3枚=5.07m分 棚があるということになるのに対し、 棚を5枚にしたら使える段数が6段になるので、 1.69m×6枚=10.14mになる といった感じです。

では続いてBの収納です。
つまり、もう1方向棚板を増やした場合ですね。 この場合、棚板の奥行きを30cmと仮定すると、 1.69m-30cm=1.39mの棚を クロスして設置することが出来ます。
その結果、クロス方向にも6枚棚板がつくため、 1.39m×6枚=8.34m分、 先程の場合より棚が増えることになります。

Cの場合はどうでしょうか?
Cは収納への入り口を 少し真ん中にずらした場合です。
となると、反対方向にも 棚板を設置することが出来るので、 さらに1.39m×6枚=8.34m分、 棚が増えることになり、 Aの場合とは比べ物にならないぐらい モノが置けるようになります。

このように一口に2帖の納戸と言っても、 そのつくり方によって 収納量に雲泥の差が生まれるのが 収納の知られざる真実なんですよね。
言われてみたら「あっ、そっか!」 という感じだと思うんですけど、 図面の見方を知らないと どうしてもこれに気付けないんですよね。

✔︎そこに立っている目線で図面を見る!

では、ここからは結論を述べたいと思います。 図面を見る時は上から眺めるのではなく、 そこに立っている目線で見てみてください。
そうすれば、 床面積で収納の量を判断するのではなく、 収納の中に存在する壁の量で 収納量を判断することが出来るようになります。
つまり、上から眺めているだけだと、 どうしても収納が足りないんじゃないかと感じてしまい、 悪戯に床面積を増やしてしまうのですが、 この見方が出来れば、 それが回避しやすくなるというわけですね。

不用意に面積を増やさなくても、 簡単に収納量を増やすことは出来るので、 この事実をあらかじめ知った上で、 家づくりをしていただければと思います。
ぜひ参考にしてください!

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